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蕩々
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とうとう
ふりがな文庫
“
蕩々
(
とうとう
)” の例文
蕩々
(
とうとう
)
として洋の東西に
湧
(
わ
)
き返って居る
今世
(
こんせ
)
のことなれば、あるいは欧米の文士間などより、前記先生の所説のごとき議論が、何時
湧出
(
ゆうしゅつ
)
してくるかも知れぬ
竹乃里人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
以上三点の区別より推測するに、死後の霊魂なるものは、実に
空々
(
くうくう
)
漠々
(
ばくばく
)
渺々
(
びょうびょう
)
蕩々
(
とうとう
)
、苦もなくまた楽もなく、知もなくまた意もなきありさまならざるべからず。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
私の
蕩々
(
とうとう
)
としている気分の中にも、この娘の語ることが、もはや単純な下町娘の言葉ではなく、この種の智識にかけては一通り築きかけたもののあるのを見て取った。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
蕩々
(
とうとう
)
とのぼる朝日の御陽光を拝んで御覧あそばせ、それはそれは、美麗とも、
荘厳
(
そうごん
)
とも……
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
経済の世界は偏なく党なく
蕩々
(
とうとう
)
としてこの各国各人民をば網羅して一の連邦と見なせり。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
▼ もっと見る
若
(
も
)
し
強
(
し
)
いて道衍の為に解さば、
惟
(
ただ
)
是
(
こ
)
れ道衍が天に
禀
(
う
)
くるの気と、自ら
負
(
たの
)
むの材と、
莾々
(
もうもう
)
、
蕩々
(
とうとう
)
、
糾々
(
きゅうきゅう
)
、
昂々
(
こうこう
)
として、屈す
可
(
べ
)
からず、
撓
(
たわ
)
む可からず、
消
(
しょう
)
す可からず、
抑
(
おさ
)
う可からざる者
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
見給え個性発展の結果みんな神経衰弱を起して、始末がつかなくなった時、
王者
(
おうしゃ
)
の
民
(
たみ
)
蕩々
(
とうとう
)
たりと云う句の価値を始めて発見するから。
無為
(
むい
)
にして
化
(
か
)
すと云う語の馬鹿に出来ない事を悟るから。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
偶
(
たま
)
に行逢う人も、その村の家も、ただ漂々
蕩々
(
とうとう
)
として陰気な波に揺られて、あとへ、あとへ、漂って消えて
行
(
ゆ
)
くから、峠の
上下
(
うえした
)
、並木の往来で、ゆき迎え、また立顧みる、旅人同士とは品かわって
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
君子
(
くんし
)
は
坦
(
たいらか
)
にして
蕩々
(
とうとう
)
たり、
小人
(
しょうじん
)
は
長
(
とこしなえ
)
に
戚々
(
せきせき
)
たり」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
正に
蕩々
(
とうとう
)
たる天下の春である。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
けだし自然の勢いには適もなく、莫もなく、いかなる忠実なる味方も、執着なる
敵讐
(
てきしゅう
)
も、みなその
蕩々
(
とうとう
)
たる大翼の中に籠絡し、みなこれをその目的を達する一の利器となすものなり。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
蕩
漢検準1級
部首:⾋
15画
々
3画
“蕩々”で始まる語句
蕩々然