“無為”のいろいろな読み方と例文
旧字:無爲
読み方割合
むい85.4%
むゐ7.3%
しょうことなし2.4%
ぶい2.4%
ぶゐ2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただ、自分のみている夢が事実になって現れるか、夢のままで消えるかというだけの話だ。無為むいの人間にちょうどいい人生の遊戯だ。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雨を好むこゝろは確に無為むゐを愛するこゝろである。為事の上に心の上に、何か企てのある時は多く雨を忌んで晴を喜ぶ。
なまけ者と雨 (新字旧仮名) / 若山牧水(著)
雨の日の無為しょうことなし、物見高い江戸っ児の群が噪いで人だかりは増す一方、甘酒屋が荷を下ろしていたが実際相当稼ぎになるほどの大人気。
財産があって無為ぶいに月日を送っているものもあれば、小規模の養蚕などをやって暮らしているものもある。金貸しなどをしているものもあった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
余り壮健ぢやうぶでなく、痩せた、図抜けて背の高い人で、一日として無為ぶゐに暮せない性質たちなのか、一時間と唯坐つては居ない。何も用のない時は、押入の中を掃除したり、寵愛の銀煙管をみがいたりする。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)