“むい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
無為70.0%
12.0%
無畏6.0%
4.0%
無意4.0%
無位2.0%
無痍2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「姥の調伏を無為むいにしようと、こう思ったら姥の身辺から、範覚を放さなければならないのだよ……その範覚を迷わしたかえ?」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
といおうとしてふっと八っちゃんの方に顔を向けたが、縁側の方をむいて碁石をおもちゃにしている八っちゃんを見たら、口をきくのが変になった。
碁石を呑んだ八っちゃん (新字新仮名) / 有島武郎(著)
また時には人身をも現じ、時には獣身をさえも現ずる。そうして衆生を度脱どだつし、衆生に無畏むいを施す。——かくのごとき菩薩はいかなる形貌を供えていなくてはならないか。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
むいらなければ此藤八の蟲が落付おちつかぬ未だ此上にも爭はゞ片端かたはしから覺悟を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
未練みれんをしみてとも思召おぼしめさんくるしさよとおもひやりてはしづおもいだしてはむせかへみとはなんゆめにもわすれてるものは人生じんせいきといふきの數々かず/\るものは無意むい無心むしん春夏秋冬しゆんかしうとう落花らくくわ流水りうすゐちりてながれてかへなみとしまたとし今日けふこゝろけやする明日あすおもひのはなれやするあは
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ヨレヨレな布直垂ぬのひたたれに切れ草履の貧しげなる無位むい地下人ちげびと。かえりみては、つい、ひるまずにいられない。
もし人生を汚濁穢染をぢよくゑせんとせば、処女の純潔は燈明の暗牢に向ふが如しと言はむ、もし世路を荊棘けいきよくの埋むところとせば、処女の純潔は無害無痍むいにして荊中に点ずる百合花とや言はむ