“渺々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
びょうびょう73.7%
べう/\15.8%
びやう/\3.5%
べうべう3.5%
はる/″\1.8%
びようびよう1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
空の菫がかった日光と白金色はくきんしょくの月は次第にうすれて行った、そしてかの黎明の色を前触するような渺々びょうびょうたる無色の天地に変って来た。
た※渺々べう/\としてはてもない暗夜やみなかに、雨水あめみづ薄白うすじろいのが、うなぎはらのやうにうねつて、よどんだしづかなみが、どろ/\と線路せんろひたしてさうにさへおもはれる。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こやしをのする輴哥そりあり、これをのするほどにちひさく作りたる物なり。二三月のころも地として雪ならざるはなく、渺々びやう/\として田圃たはた是下このしたりて持分もちぶんさかひもさらにわかちがたし。
ながわづか日數ひかずうち渺々べうべうたるはたけをからりとさせて、しばらくすると天候てんこうきはまりない變化へんくわを一ぱいひろげて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かはし汝此地に來りしときゝ渺々はる/″\尋ねし甲斐かひあつ祝着しうちやくなり無念をはらす時いたれり覺悟かくごせよといひさま替の筒脇差つゝわきざしにて切かゝり互ひにおとらず切結きりむすびしが六郎右衞門がいらつて打込うちこむ脇差にて竿竹さをだけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
野原に下りた霧の渺々びようびようとして海のごとく見ゆるをいう。ドイツにはこれに相当して Nebelmeer という字がある。
歳時記新註 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)