鞺々とうとう)” の例文
滝壺たきつぼすその流れの一筋として白絹の帯上げの結び目は、水沫みなわの如く奔騰して、そのみなかみの鞺々とうとうの音を忍ばせ、そこに大小三つほどの水玉模様がねて
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
鞺々とうとうと流れる渓流にすねを洗われながら、一人の若者が鉤鈎かぎばりをつけた三尺ばかりの棒を巧みにあやつってぴらりぴらりとひらめく山女やまめを引ッかけては、見る見る間に魚籠びくみたしていた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)