“水沫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しぶき49.0%
みなわ30.6%
すいまつ10.2%
みずしぶき4.1%
うたかた2.0%
すゐまつ2.0%
ミナハ2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
噴き井の上には白椿しろつばきが、まだまばらに咲き残って、絶えず湧きこぼれる水の水沫しぶきは、その花と葉とをれる日の光に、かすかなにじを描いていた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
暗夜の海にもたとへようず煩悩心ぼんなうしんの空に一波をあげて、いまだ出ぬ月の光を、水沫みなわの中に捕へてこそ、生きて甲斐ある命とも申さうず。
奉教人の死 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
力を極めて漕ぐ櫂につれて、水沫すいまつがサッと翻えるのが、黎明の光に光って見える。見る見る短艇は近寄って来た。やがて窓の下で停止とまった。
死の航海 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
おおかた上のプールでは、水泳選手の河童かっぱ連が、水沫みずしぶきをたてて、浮いたりしずんだり、ウォタアポロの、球をうばいあっているのでしょう。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
舷側げんそくに、しろくあわだっては消えて行く水沫うたかたは、またきょうの日のわれの心か、と少年の日の甘ったるい感傷におぼれこんでもみるのでした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
そして行くべく定められた海と水沫すゐまつとの思ひが、まるで私と私が今寄添つて歩いてゐる主人との間を流れるかのやうに、なほも冷く、そして私と私がいつはりなく
椎根津彦と弟猾オトウカシとが香具山の土を盗んで来て種々の土器を作つて、天神地祇を祭つた条に、「譬はゞ水沫ミナハの如くカシり著くる所あり」