“すいまつ”の漢字の書き方と例文
語句割合
水沫100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
風に砕け散る波は不気味に彼をとり巻き、深海のうねりは彼を運び去り、あらゆる水沫すいまつは彼の頭のまわりにざわめき、無数の波は彼の上に打ちつけ、乱るる水の間に彼は半ばのまるる。
この大河の水は岩礁をいた水道のコンクリートのせきと赤さびた鉄の扉の上をわずかに越えて、流れ注いで、外には濁った白い水沫すいまつ塵埃じんあいとを平らかに溜めているばかりだ。何のもなくのどけさである。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)