“どうどう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
堂々31.3%
同道18.8%
堂堂12.5%
撞々6.3%
憧々6.3%
摚々6.3%
洞道6.3%
鞺々6.3%
鞺鞳6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼の眼前に大岩が——大岩というより岩山が、高さ数十丈広さ数町、峨々がが堂々どうどうとしてそびえていたが、正面に一つの口があってそこから内へはいれるらしい。
そんなことはくだくだしく申上げるまでもありませんが、それから又ふた月ほども過ぎた後に、松島さんがお母さん同道どうどうでたずねて来て、思いもよらない話を持出しました。
鰻に呪われた男 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
年をとったほうは、だいぶむずかしい顔をしていました。これは心配の妖女でした。このほうはいつもごじしん堂堂どうどうと、どこへでも乗り込んでいってしごとをします。
府中の町を出はなれたかと思うと、おいかけて来た黒雲が彼の頭上ずじょう破裂はれつした。突然だしぬけに天の水槽たんくの底がぬけたかとばかり、雨とは云わず瀑布落たきおとしに撞々どうどうと落ちて来た。紫色の光がぱッと射す。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
やがて雷鳴電光よろしくあって、錨索大いかりづなだいの雨の棒が瀑布落たきおとしに撞々どうどうと来る。さあ、今だ。総員あひるの如くきゃッ/\笑い騒いで、大急ぎで石鹸を塗る、洗う。大洋の真中で大無銭湯が開かれるのだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
起きて居るのは、例の沙漠先生と、憧々どうどうたる俺ばかりさ。突如、ザーと飛瀑の音を聞き得たり。何と思ふつて、小便の音さ。しかしそー笑ふ勿れだ。此の時程俺は、美くしう感じた事は無かつたよ。
俺の記 (新字旧仮名) / 尾崎放哉(著)
その音は轟々と吹く風に吹き散らされ、摚々どうどうと崩れる波に入り乱れて物凄い限りを極めた。
幽霊と推進機 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そこまでは、たしかにうまくいったが、急に支えをはずされた岩盤は、えらい速さで洞道どうどうの上に倒れかかり、まさにはい出し終わろうとしている原田氏の右の足首をおしつぶしてしまった。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
町はずれの隧道とんねるを、常陸ひたちから入って磐城いわきに出た。大波小波鞺々どうどうと打寄する淋しい浜街道はまかいどうを少し往って、唯有とあ茶店さてんで車を下りた。奈古曾なこそ石碑せきひ刷物すりもの、松や貝の化石、画はがきなど売って居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
眠るは春の凪日和なぎびより、沖のこがらし吹っ立って、鞺鞳どうどうの浪すさまじき此処は堺の港まち、けの空とぶ綿雲の切間を、のぞく冬月の、影物凄き真夜中ごろ、くるわに近き裏町を黒羽二重くろはぶたえに朱色の下着
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)