“水槽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すいそう45.0%
みずおけ15.0%
みずぶね12.5%
タンク12.5%
みづぶね10.0%
たんく2.5%
みずぶろ2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこからまた同じ裏道づたいに、共同の水槽すいそうのところに集まる水くみの女どもには、目もくれずに、急いで隠宅へ引き返して来た。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
月はポプラの枝々をもれて青白い光を戸板や石うすやこもや水槽みずおけに落とすと、それらの影がまざまざと生きたようにういてくる。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
ふいにやってきたお客のへやの水差しやびんには間に合わせに水を入れなければならないし、水槽みずぶねにはもう水がなくなってしまっている。
水を飲もうと炊事場の水槽タンクのあるほうへ行きかけ、ふと狭山の寝台の下に、茶褐色の犬のようなものが蹲っているのを発見した。
海豹島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
おのれはかゝる水槽みづぶねの中におつ、さればわが後方うしろに冬を送る魂もおもふにいまなほそのからだを上の世にあらはすなるべし 一三三—一三五
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
府中の町を出はなれたかと思うと、おいかけて来た黒雲が彼の頭上ずじょう破裂はれつした。突然だしぬけに天の水槽たんくの底がぬけたかとばかり、雨とは云わず瀑布落たきおとしに撞々どうどうと落ちて来た。紫色の光がぱッと射す。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
と、彼女は前折まえかがみになった。腹がたるんで皺が出来た。芋虫いもむしのようにウネウネした、二筋の太い皺であった。両腕の先に水槽みずぶろがあった。その側に小桶があった。両手を小桶の縁へかけた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)