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すいそう
ふりがな文庫
“
水槽
(
すいそう
)” の例文
そこからまた同じ裏道づたいに、共同の
水槽
(
すいそう
)
のところに集まる水くみの女どもには、目もくれずに、急いで隠宅へ引き返して来た。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その広い壁のところどころに、大きな水族館の
水槽
(
すいそう
)
ののぞき窓みたいに、横に長い
硝子板
(
ガラスばん
)
のはまった窓があるのだった。
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
かれはこの場所のまんなかに、
水槽
(
すいそう
)
の階段のうえに、くずれるように腰をおろして、石の丸味のところへ頭をもたせた。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
景色や風致がどうであるというのではなくて、何かしら学術上の研究資料の供給所として、あるいは一つの実験用
水槽
(
すいそう
)
として保存してほしいのである。
池
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
水槽
(
すいそう
)
に小さな穴があいて、そこから水が漏るように、彼の中から、なにかが少しずつ漏れ、漏れただけべつのなにかが加わってゆく、というようなぐあいだった。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
そのころ、
水槽
(
すいそう
)
をそなえた海獣の
檻
(
カラル
)
のまえで、なにやら
馴育師
(
トレイナー
)
から説明を聴いているのが……、というよりも
甚
(
はなは
)
だしい海獣の臭気に、鼻を覆うていたのが折竹孫七。
人外魔境:08 遊魂境
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
超特急「
燕
(
つばめ
)
」の大機関車が不思議な形の
水槽
(
すいそう
)
を従えつつその動輪を巨大なるピストンによって廻転しつつ動いて行く形こそは、どれだけ近代人を
悦
(
よろこ
)
ばせ子供の心を感動させているか知れない。
大切な雰囲気:03 大切な雰囲気
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
……正三は
樹蔭
(
こかげ
)
の
水槽
(
すいそう
)
の傍にある材木の上に腰を下ろした。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
その広い壁のところどころに、大きな
水族館
(
すいぞくかん
)
の
水槽
(
すいそう
)
ののぞき窓みたいに、横に長い
硝子
(
ガラス
)
板のはまった窓があるのだった。
三十年後の東京
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
テーブルの横の台の上に、ガラスの
水槽
(
すいそう
)
が一つ置いてあって、その中にただ一匹の美しい洋紅色をした熱帯魚が泳いでいた。ベタ・カンボジャという魚らしい。
試験管
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
水槽
(
すいそう
)
に小さな穴があいて、そこから水が漏るように、彼の中から、なにかが少しずつ漏れ、漏れただけべつのなにかが加わってゆく、というようなぐあいだった。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
馬籠は飲用水に乏しい土地柄であるが、そのかわり、奥山の方にはこうした山地でなければ得られないような、たまやかな水がわく。
樋
(
とい
)
を通して呼んである水は共同の
水槽
(
すいそう
)
のところでくめる。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
素人
(
しろうと
)
考えですがね、例えば
河馬
(
かば
)
の居る
水槽
(
すいそう
)
の底深く死体が隠れていないかお
検
(
しら
)
べになりましたか」
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ラスボラ・ヘテロモルファという魚は、時には活発に運動しているが、また時によると二三十尾の群れが
水槽
(
すいそう
)
の一部に集まったままじっとして動かないでいることがある。
破片
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
医薬の
費
(
つい
)
えだけでも分に過ぎた重荷だった、それで僅かでもその費えを助けようと、伊緒は夜仕事に
紙漉
(
かみす
)
きのわざをならい、凍てる夜な夜な、
水槽
(
すいそう
)
の氷を破ってしごとをはげんだ。
日本婦道記:春三たび
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
落合方面から馬籠の町にはいるものは、旧本陣の門前まで出ないうちに街道を右に折れ曲がって行くと、共同の
水槽
(
すいそう
)
の方から
奔
(
はし
)
って来る細い流れの近くに、その静の屋を見いだすことができる。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
百貨店の
花卉部
(
かきぶ
)
に熱帯魚を養ったガラス張りの
水槽
(
すいそう
)
が並んでいる。暑いある日のことである。
試験管
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
(
水槽
(
すいそう
)
らしいが、僕をどうしようというんだろう。水浴をさせるつもりでもあるまいに……)
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
水槽
(
すいそう
)
に鼻をさしつけてのぞいている人間の顔を魚が見たらどんなに見えるであろう。さだめて恐ろしく醜怪な化け物のように見える事であろう。見物人の中には美人もいた。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
こんな大きな
水族館
(
すいぞくかん
)
の
水槽
(
すいそう
)
はないであろう。
三十年後の東京
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
たとえば長方形の
水槽
(
すいそう
)
の底を一様に熱するといわゆる熱対流を生ずる。
とんびと油揚
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「艇長さん、食料品がすこし心細くなったよ。直ぐ引返すとしても、帰りの路は半分ぐらいに
減食
(
げんしょく
)
しないじゃ駄目だ。ことに水が足りやしない。なにしろ一つの
水槽
(
すいそう
)
の中に、記者の佐々おじさんが隠れていたんだものねえ。あはははッ」
月世界探険記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“水槽”の意味
《名詞》
水槽(すいそう)
水をためる比較的大きな容器。
魚やその他水生生物などの生物を保全する器具。
(出典:Wiktionary)
“水槽”の解説
水槽(すいそう)は、液体(特に水)を貯蔵するための容器、設備。一般に、単に水槽と呼称する場合、水生生物の飼育と鑑賞を目的とした飼育水槽を指す。飲料用水や防火用水を溜めるための水槽のうち、特に水道と直結したものは、一般に貯水槽と呼ばれる。
(出典:Wikipedia)
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
槽
常用漢字
中学
部首:⽊
15画
“水”で始まる語句
水
水際
水底
水溜
水上
水面
水晶
水嵩
水車
水瓶