“紙漉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かみすき63.6%
かみす36.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのくせ、彼方あなた紙漉かみすき小屋の附近では、何かわめき合う声も聞こえ、乱れ飛ぶ提灯の影もただ事ならず見えますのに——。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この捕虜の中に唐の紙漉かみすき職工がありましたから、サラセンの大將は、この紙漉職工を使役して、中央アジアのサマルカンドといふ都で、初めて製紙工場を建て
東洋人の発明 (旧字旧仮名) / 桑原隲蔵(著)
どすっ、どすっ……とわらを打つにぶきねの音が細民町を揺すっている。雨はそこらの牛飼の家や、紙漉かみすきの小屋を秋のように、くさらせていた。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
医薬のついえだけでも分に過ぎた重荷だった、それで僅かでもその費えを助けようと、伊緒は夜仕事に紙漉かみすきのわざをならい、凍てる夜な夜な、水槽すいそうの氷を破ってしごとをはげんだ。
日本婦道記:春三たび (新字新仮名) / 山本周五郎(著)