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紙漉
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かみす
ふりがな文庫
“
紙漉
(
かみす
)” の例文
どすっ、どすっ……と
藁
(
わら
)
を打つ
鈍
(
にぶ
)
い
杵
(
きね
)
の音が細民町を揺すっている。雨はそこらの牛飼の家や、
紙漉
(
かみす
)
きの小屋を秋のように、
腐
(
くさ
)
らせていた。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
医薬の
費
(
つい
)
えだけでも分に過ぎた重荷だった、それで僅かでもその費えを助けようと、伊緒は夜仕事に
紙漉
(
かみす
)
きのわざをならい、凍てる夜な夜な、
水槽
(
すいそう
)
の氷を破ってしごとをはげんだ。
日本婦道記:春三たび
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
七八十人の人間が従事している小さい工場ですが、機械工業になってもまだ手練の業の必要な製紙業に対して、代々、
紙漉
(
かみす
)
きに慣れて来た土地の子弟たちには何か持前の熟練がありました。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「何せい、
七歳
(
ななつ
)
ぐらいからあの居酒屋へ奉公しておりますので、馬方やら、この辺の
紙漉
(
かみす
)
きやら、旅の衆に、
人中
(
ひとなか
)
で
揉
(
も
)
まれておりますでな」
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
紙漉
(
かみす
)
き、元結、草履、繩細工、
米搗
(
こめつ
)
き、大工、左官、百姓、
炭団
(
たどん
)
、などという職種があり、もっこ部屋の残された人足たちは、これらの仕事の助け役をするわけで、材料を船からおろしたり
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
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「でも。——
後生
(
ごしょう
)
だからさ、おじさん。あそこの
塗師屋
(
ぬしや
)
の裏で、
紙漉
(
かみす
)
きだの桶屋の若い衆たちが集まって、剣術をやっているから、そこへ試合に行って、一度、勝っておくれよ」
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
紙
常用漢字
小2
部首:⽷
10画
漉
漢検準1級
部首:⽔
14画
“紙漉”で始まる語句
紙漉場
紙漉村
紙漉阿原