俺の記おれのき
俺には名前がない、但し人間が付けてくれたのは有るが、其れを云ふのは暫く差控へて置かう。 だが、何も恥かしいので云はぬと云ふわけでは毛頭ない。云ひにくいから云はないのだ。外になんにも理窟はない、冬になれば雪が降る、夜になれば暗くなる、腹が減つ …