“トンネル”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:とんねる
語句割合
隧道94.2%
掘通1.2%
地下道1.2%
墜道1.2%
導坑1.2%
洞道1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
にしろよわつたらしい。……舞臺ぶたい歸途かへりとして、いま隧道トンネルすのは、芝居しばゐ奈落ならくくゞるやうなものだ、いや、眞個まつたく奈落ならくだつた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
掘通トンネルドアを締めて出て行くボストンの跫音が聞えた後は、固形化したような空気が四方から彼を包んで、水準下の不気味な静寂に耳を透ましていた為吉は
上海された男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
低い掘通トンネルから灰の一インチも溜まっている停泊用釜ドンキ・ボイラへ這上って、両脚が一度に這入らない程の穴から為吉は水管の組合っているボイラの外側へ身を縮めた。火の気のない釜の外は氷室ひむろのように冷えていた。
上海された男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
それは小さな画で、低い壁のある、平坦へいたんな、白い、切れ目もなければなんの装飾もない、非常に長い矩形くけいあなぐらまたは地下道トンネルの内部をあらわしていた。
そして、このしつを中心として、隣りから隣りへと、それよりやや小さい室が、まるで墜道トンネルのように拡がっているのだった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
鯨のもり打ち、土工、剥皮夫、導坑トンネル師、猟師、船大工。……導坑トンネル師の亀井金太郎と土工の須田松吉の前身が、このきわどい時に役に立ったのだった。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
キヤンデイは昔の錫崙セイロン王の都で、峨峨ががたる石山いしやまに取囲まれた要害の地だけに最後迄英軍に反抗した古戦場だ。英軍が気長に洞道トンネルを切り開いたのでやうやく陥落したのである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)