丁々とうとう)” の例文
向うの太い枯木に、むずと抱きついて、いかつい口ばしで、ちょうど釘でも打ち込む風に、しきりと幹を叩いている——折り重なって空山に響く、丁々とうとうの木だま。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
丁々とうとう白檀びやくだんをのおと
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
時おり車でもきしるような、乾いた響きが断続するのは、ガレの落石であろう。時にはどこか丁々とうとうの音もこだまする。これは山男が焚木をコナしているのにちがいない。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)