“丁々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちょうちょう68.2%
とうとう9.1%
たう/\4.5%
ちょう/\4.5%
てう/\4.5%
ほとほと4.5%
トントン4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
最後に婦人は口中より一本の釘をはき出して、これを彼二十一歳の男子と記したる紙片に推当おしあて、鉄槌をもて丁々ちょうちょうと打ちたりけり。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
向うの太い枯木に、むずと抱きついて、いかつい口ばしで、ちょうど釘でも打ち込む風に、しきりと幹を叩いている——折り重なって空山に響く、丁々とうとうの木だま。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
丁々たう/\としてやまさら
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
と云いながらひょろ/\とよろけてハタと臀餅しりもちき、ようやく起きあがってひたいにらみ、いきなり拳骨げんこつふる丁々ちょう/\と打たれて、中間は酒のとが堪忍かんにんして逆らわず、大地に手を突きこうべを下げて、しきりにびても
しかるに家業かげふ出精しゆつせいゆゑもつて、これよりさきとく一個いつここの鍛冶屋かぢやしやうたまひしより、昧爽まいさうける市街しがい現象げんしやううておもむきへんじ、今日けふ此頃このごろいたりては、鍛冶屋かぢや丁々てう/\ふもさらなり
鉄槌の音 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
黄金丸は柴門しばのとに立寄りて、丁々ほとほとおとなへば。中より「ぞ」ト声して、朱目あかめ自ら立出づるに。見れば耳長く毛は真白ましろに、まなこくれないに光ありて、一目みるから尋常よのつねの兎とも覚えぬに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
岩の下をいくぐって、下の根のうつろを打って、絶えず、丁々トントンと鼓の音の響いたのが、潮や満ち来る、どッとはげしく、ざぶり砕けた波がしら、白滝しらたきさかしまに、さっとばかり雪を崩して、浦子の肩から
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)