落第らくだい
其頃東京には中学と云うものが一つしか無かった。学校の名もよくは覚えて居ないが、今の高等商業の横辺りに在って、僕の入ったのは十二三の頃か知ら。何でも今の中学生などよりは余程小さかった様な気がする。学校は正則と変則とに別れて居て、正則の方は一般 …
作品に特徴的な語句
 しま ぜめ おつ すき 竹筒たけづっぽ 彼方むこう きた つま だけ いっ しき 白墨チョーク あた きわ なま たち たたみ すぐ 瞭然はっきり まず やす ほと ずつ しま おのずか ばか えら 此方こちら 一日あるひ おも のこ 遂々とうとう とて 沢山たくさん 温順おとな 為直しなお はなは 軽蔑けいべつ もら 発心ほっしん つい 訥弁とつべん かく まき 矢張やは みずか はず はらわた クラス 繰返くりかえ 韻許いんばか 全然まるで 大嫌だいきら 喰外くいはぐ いや すす 到底とうてい 其処そこ 其儘そのまま ごと 余程よほど また しま これ うち 恰度ちょうど 此儘このまま 根柢こんてい 是等これら えら 成程なるほど 懸隔けんかく たし なま ことごと 此処ここ 心算つもり 往昔むかし 工合ぐあい 居乍いなが