曈々とうとう)” の例文
柔らかな、うるおいの乏しい、大きく開いた子供の眼は、曈々とうとうとして上る朝日の光りを避けた。真昼の光りでさえ、この弱い子供の眼は、瞳に映るのを怖れている。
森の暗き夜 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかして商業の太陽は車輪のごとく曈々とうとうとして中天をきしり上り、ついに欧州の面目を一変するに至れり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
曈々とうとうたる日輪はたるんでいる大空をゆれつつ動いた。長い真昼の間、花の咲いている家は戸が閉っていた。
(新字新仮名) / 小川未明(著)