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遂々
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たうたう
ふりがな文庫
“
遂々
(
たうたう
)” の例文
残部
(
あと
)
は二三日と云つたのが、
遂々
(
たうたう
)
十日も延びたので、下宿のアノ主婦が少し心配して居つた外、これぞと云ふ事も思出せなかつた。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『竹山さん。』と、
遂々
(
たうたう
)
耐
(
こら
)
へきれなくなつて渠は云つた。悲し気な眼で対手を見ながら、顫ひを帯びて
怖々
(
おづおづ
)
した声で。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と、眠気が催すまでに悪落着がして来て、
悠然
(
ゆつたり
)
と改めて室の中を見廻したが、「敷島」と「朝日」と交代に
頻
(
しきり
)
に喫ひながら、
遂々
(
たうたう
)
ゴロリと横になつた。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
エ?
左様
(
さう
)
々々、君はまだ御存じなかつたんだ。罷めましたよ、
遂々
(
たうたう
)
。何でも校長といふ奴と、——僕も二三度見て知つてますが、
鯰髯
(
なまづひげ
)
の随分
変梃
(
へんてこ
)
な
高麗人
(
かうらいじん
)
でネ。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
遂々
(
たうたう
)
追出してやつた、ハハヽヽ。』と笑ひ乍ら坐つたが、張合の抜けた様な笑声であつた。そして
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
考へて考へて、去年東京から来た時の経験もあるし、尤も余り結構な経験でもありませんが、仕方が無いから思ひ切つて、乞食をして国まで帰る事に
遂々
(
たうたう
)
決心したんです。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
その時はまだ私の心も単純であつた。既にその劇しい戦ひの中へ割込み、底から底と潜り抜けて、
遂々
(
たうたう
)
敗けて帰つて来た私の今の心に較べると、実際その時の私は、単純であつた——
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
凌雲閣には余り高いのに
怖気
(
おぢけ
)
立つて、
遂々
(
たうたう
)
上らず。吾妻橋に出ては、東京では川まで大きいと思つた。両国の川開きの話をお吉に聞かされたが、
甚麽
(
どんな
)
事をするものやら遂に解らず了ひ。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
さうして又歩くともなく歩き出して、
遂々
(
たうたう
)
此処まで来てしまつた。
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
遂々
(
たうたう
)
雀部は大きな
呿呻
(
あくび
)
をした。
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
遂
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
々
3画
“遂”で始まる語句
遂
遂行
遂事
遂得
遂次
遂良
遂高