“おう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オウ
語句割合
34.6%
18.5%
15.2%
9.5%
2.8%
1.9%
1.9%
1.4%
0.9%
0.9%
0.9%
苧績0.9%
0.9%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
御受0.5%
御請0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
飫宇0.5%
0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いなおうか。介三郎が求めるものに対して、又四郎がどうしてもうんといわないのだった。そのあいだの論争はもう尽きての挙句あげくらしい。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで、いくらかの抗弁はこころみたものの、相手は、役職も上だし、禁門のおう師範とあっては、役人づら権柄けんぺいも歯が立たなかった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて退しさりて、つかへ、は、は、申上まをしあたてまつる。おうなんとぢや、とお待兼まちかね。名道人めいだうじんつゝしんで、微妙いみじうもおはしましさふらふものかな。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
四十一ねんぐわつ二十一にち午前ごぜんごろ水谷氏みづたにしとは、大森おほもり兒島邸こじまてい訪問ほうもんした。しかるにおうは、熱海あたみはうつてられて、不在ふざん
僕は欄干らんかんにつかまって、下方を覗きこんだ。曲面を持ったおうレンズ式の展望窓は、本艇の尾部の方を残りなく見ることが出来るようになっていた。
宇宙尖兵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いづれか此両策の一をりしなるべし、而るに後に聞く処にれば、沼田近傍はあめつねおうかりしに、利根山中日々晴朗せいろうの天気なりしは不可思議ふかしぎと云ふの外なし
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
サルオガセがぶら下ったり、山葡萄やまぶどうからんだり、それ自身じしん針葉樹林の小模型しょうもけいとも見らるゝ、りょくかつおう、さま/″\の蘚苔こけをふわりとまとうて居るのもある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
貞時は風致ふうちよろしき庭をひとまわり眺めやった。すべてが主人の好みが出ていて、その好みは築庭ちくていおうをきわめているようであった。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
まず、いきなりいかりをザンブと投げこんで、おう薄刃うすばのだんびらを持ち出す。——凄文句すごもんくよろしくならべて、約束の駄賃だちん以上な客の懐中物をせびるのだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
れにおうを告げて、らいを知る者なりと。——学而篇——
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
浅茅あさじおうる武蔵野の原に過ぎず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
またおりおりは村に降りて来て、機織り苧績おうみを手伝ってくれるという話もありました。また仕合せの好い人は、山奥にはいって、山姥の苧つくねという物を拾うことがたまにある。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
おあさ それでも運よく無事に逃げおうせたそうですな。
人狼 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
灸所きゅうしょの痛手に金眸は、一声おうと叫びつつ、あえなくむくろは倒れしが。これに心の張り弓も、一度に弛みて両犬は、左右にどう俯伏ひれふして、霎時しばしは起きも得ざりけり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
窠宿の方へ走りゆけば、狐はかくとみるよりも、周章狼狽あわてふためき逃げ行くを、なほのがさじと追駆おっかけて、表門をいでんとする時、一声おうたけりつつ、横間よこあいよりとんで掛るものあり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
彼女の魂はまったく夫の魂となりおうせて、マリユスの考えの中で影におおわれてるものは皆、彼女の考えの中でも暗くなるのであった。
半年前に先生のおうせに従って思い切って右手を取り外して貰えば、生命は助かったでしょうが、私のような労働者が右手を失うということは、生命を取られるも同然ですから
肉腫 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
幹をすかして空の見える反対の方角を見ると——西か東か無論わからぬ——ここばかりは木が重なりおう一畝ひとせ程は際立きわだつ薄暗さを地に印する中に池がある。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そこにはけないおうきな油絵あぶらえなどが、まどぎわにてかけてあつたりして、大入道おうにうどうのR国人こくじんが、この作者さくしやについて、意味いみについて説明せつめいしてくれたりしたが
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
猴食わず交わらずば孕む事なし。土伝に唐の時民丁五百余口あって皆無頼なり、神僧その家に至り水を吹き掛けてことごとく猴と成した、ただ一おうを留めて化せしめず、その旧宅なお存すと。
平民へいみんかとへばうござんしようかとこたふ、そんなら華族くわぞくわらひながらくに、まあ左樣さうおもふてくだされ、お華族くわぞく姫樣ひいさまづからのおしやく、かたじけなく御受おうけなされとて波々なみ/\とつぐに
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
諸君、私はただいま報告された通り、この壮厳なる儀式のもとに、会長に推薦せられたのであるが、私はこれに対して、何という言葉を以て御請おうけして宜いか、はなはだ私は当惑した。
平和事業の将来 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
時は涼秋りょうしゅうげつ、処は北海山中の無人境、篝火かがりびを焚く霜夜の天幕、まくそとには立聴くアイヌ、幕の内には隼人はやと薩摩さつま壮士おのこ神来しんらいきょうまさにおうして、歌ゆる時四絃続き、絃黙げんもくす時こえうた
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
今もうそのおうような人との交渉は田舎に於ても幾分減った。
素朴な庭 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
州のおう氏の息子が番陽はようから州へ行って、建徳けんとく県に宿ろうとした。
幅が五寸に高さが二丈もあるか、それが岩の間から落ちて一おうの池となり、池のほとりには弁財天の小さなほこらがあって、そのわきの細いところから、こっそりと逃げて水は日高川へ落ちる。
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ときにはおうさんのむらなぞにいめづらしい玩具おもちやや、とうさんのきな箱入はこいり羊羹やうかんとなりくにはうから土産みやげにつけてれるのも、あのうまでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
翌朝馳走を備えた所へ果して八道人来り、飲食しおわるを俟ってまず上座の頭を打ち隅へ駆り入れると、たちまち変じて金銭一おうと成った。跡の奴原やつばらも次第に駆り入れて金銭八盎が出来た。
いずれおうちゃんにもこのことを報告しましょう。一体ならこの手紙はもっと早く書くべきでしたが、どうしてもその機会が見当たらなかったのです。
再婚について (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
いわく、秦の繆公ぼくこうの時陳倉の人地を掘りて羊状で羊でなく、猪に似て猪でない物を得、繆公道中で二童子に逢う、曰くこれをおうと名づく。地中にあって死人の脳を食う。
門部王かどべのおおきみの、「飫宇おうの海の河原の千鳥汝が鳴けば吾が佐保河の念ほゆらくに」があり、巻八(一四六九)に沙弥さみ作、「足引の山ほととぎす汝が鳴けば家なる妹し常におもほゆ」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
一、物音は古楽器の外を禁ず、流俗に用ゆる所の器を携来たずさえきたり奏するものあらば饒舌じょうぜつおうすみやかに飛振すべし、しかあらん後はその人を謝絶して再び到る事を許さず
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
さればと謂ツて、ナンセンスといふ方では無い。相おうに苦勞もあれば、また女性のまぬがれぬ苦勞性のとこもある。無垢むくか何うか、其れは假りに問として置くとして、左程さほど濁つた女で無いのは確だ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)