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翁
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おう
ふりがな文庫
“
翁
(
おう
)” の例文
當
(
とう
)
時、
私
(
わたし
)
の一家は長
崎
(
さき
)
に
住
(
す
)
んでゐた。その長
崎
(
さき
)
には、下岡蓮杖
翁
(
おう
)
と
並
(
なら
)
んで、日本寫
眞
(
しん
)
界
(
かい
)
の
元祖
(
ぐわんそ
)
である上野彦馬
翁
(
おう
)
が同じく
住
(
す
)
んでゐた。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
四十一
年
(
ねん
)
一
月
(
ぐわつ
)
二十一
日
(
にち
)
の
午前
(
ごぜん
)
九
時
(
じ
)
頃
(
ごろ
)
、
水谷氏
(
みづたにし
)
と
余
(
よ
)
とは、
大森
(
おほもり
)
の
兒島邸
(
こじまてい
)
を
訪問
(
ほうもん
)
した。
然
(
しか
)
るに
翁
(
おう
)
は、
熱海
(
あたみ
)
の
方
(
はう
)
へ
行
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
られて、
不在
(
ふざん
)
。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
また
本居宣長
(
もとおりのりなが
)
翁
(
おう
)
もやはり『古事記伝』の初めの総論に「
仮字
(
かな
)
の事」という条に、明らかに音の区別であったといっているのであります。
古代国語の音韻に就いて
(新字新仮名)
/
橋本進吉
(著)
西郷隆盛
(
さいごうたかもり
)
のそばにいると
心地
(
ここち
)
よく
翁
(
おう
)
の
身体
(
からだ
)
から
後光
(
ごこう
)
でも出ているように人は感じ、
翁
(
おう
)
は近づくと
襟
(
えり
)
を正さねばならぬほど
威厳
(
いげん
)
があった。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
それから
一月
(
ひとつき
)
ばかりの
後
(
のち
)
、そろそろ
春風
(
しゅんぷう
)
が動きだしたのを
潮
(
しお
)
に、私は独り南方へ、旅をすることになりました。そこで
翁
(
おう
)
にその話をすると
秋山図
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
この『北越雪譜』の著者鈴木牧之
翁
(
おう
)
は、越後の
塩沢
(
しおざわ
)
の商人で、時々商用で上京した時に当時のいわゆる
文人
(
ぶんじん
)
雅客
(
がかく
)
と
交
(
まじわ
)
りを結んではいたものの
語呂の論理
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
ただしはまた今日我々が昔の遊女として考えている女性が、
翁
(
おう
)
の時代にはなお「
田舎
(
いなか
)
わたらひ」という生活をしていたのか。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
朝早く露西亜の中部スチエキノ停車場から百姓の馬車に乗ってトルストイ
翁
(
おう
)
のヤスナヤ、ポリヤナに
赴
(
おもむ
)
く時、朝露にぬれそぼった小麦畑を通ると
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
翁
(
おう
)
の
令息
(
れいそく
)
に
有名
(
ゆうめい
)
な
石本新六男
(
いしもとしんろくだん
)
があり、
新六男
(
しんろくだん
)
の
四男
(
よなん
)
に
地震學
(
ぢしんがく
)
で
有名
(
ゆうめい
)
な
巳四雄教授
(
みしをきようじゆ
)
のあることは、
李蹊
(
りけい
)
翁
(
おう
)
も
又
(
また
)
以
(
もつ
)
て
瞑
(
めい
)
するに
足
(
た
)
るといはれてもよいであらう。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
「(前略)昔はだいぶ評判の事であったが、このごろは全くその
沙汰
(
さた
)
がない、根拠の無き話かと思えば、「土佐今昔物語」という書に、
沼澄
(
ぬまずみ
)
(
鹿持雅澄
(
かもちまさずみ
)
翁
(
おう
)
)
怪異考
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
これは「電球にからまる怪異」の話とともに、大正三年
比
(
ごろ
)
ハワイに住っていた田島金次郎
翁
(
おう
)
の
土産話
(
みやげばなし
)
である。
机の抽斗
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
翁
(
おう
)
は、
半白
(
はんぱく
)
の髪の延びた頭を抱えて、教壇のテーブルに向って、
+
(
プラス
)
、
−
(
マイナス
)
、
×
(
マルチプライ
)
の講義をやる。
点
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
見るに今夜
子
(
ね
)
の
刻
(
こく
)
に死する者が
斯
(
かく
)
健
(
すこや
)
かに有べき樣もなし如何なれば
翁
(
おう
)
が斯樣の事を云しかと
不審
(
ふしん
)
するも
道理
(
ことわり
)
ぞかし然れば靱負は甚だ
氣色
(
きしよく
)
を
損
(
そん
)
じ居ける故主は昨日
貰
(
もら
)
ひし
金子
(
きんす
)
にて
酒
(
さけ
)
肴
(
さかな
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この稿を草する
半
(
なかば
)
にして、曙覧
翁
(
おう
)
の
令嗣
(
れいし
)
今滋
(
いましげ
)
氏特に
草廬
(
そうろ
)
を
敲
(
たた
)
いて翁の伝記及び随筆等を示さる。
因
(
よ
)
って翁の小伝を掲げて読者の
瀏覧
(
りゅうらん
)
に供せんとす。歌と伝と相照し見ば曙覧翁眼前にあらん。
曙覧の歌
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
「
鈴
(
すず
)
の
屋
(
や
)
翁
(
おう
)
の書斎もその儘に残っているそうでございますよ」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
翁
(
おう
)
は、娘や孫娘をよんで、夫人の世話をさせた。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この話は明治四十三年十月、田島金次郎
翁
(
おう
)
がその時京都にいた喜多村
緑郎
(
ろくろう
)
氏を訪問した際に、その席上にいあわしていた医師某が、真面目な知人の話だと云って話した話である。
長崎の電話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
東湖先生
(
とうこせんせい
)
の
最後
(
さいご
)
のありさまはよく
人
(
ひと
)
に
知
(
し
)
られてゐるが、
石本李蹊
(
いしもとりけい
)
翁
(
おう
)
のは
知
(
し
)
る
人
(
ひと
)
が
少
(
すくな
)
い。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
「イ」「エ」「オ」音と「ウィ」「ウェ」「ウォ」音との別を表わすものであるということが
本居宣長
(
もとおりのりなが
)
翁
(
おう
)
の時代に明らかになり、そうしてもう一つのエにあたる仮名の二類の区別も
古代国語の音韻に就いて
(新字新仮名)
/
橋本進吉
(著)
威厳はあるが、なんとなく惹きつけられるようで近づきたくなり、いよいよ近づいても
狎
(
な
)
れて失礼することはできぬというふうであった。これ全く
翁
(
おう
)
の心のそとに
顕
(
あらわ
)
れたがためである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
こういう人生の
片隅
(
かたすみ
)
の寂しさをも、見落さなかったのがわが
翁
(
おう
)
の俳諧であった。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
牧之
翁
(
おう
)
ののべた如く、初めは屋根から地上に下ろすのであるが、一夜に五尺六尺という降雪を見ることが稀でないのであるから、家屋の
傍
(
そば
)
の
空地
(
あきち
)
、道路は
忽
(
たちま
)
ち下ろされた雪を以て高くなり
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
班女
(
はんじょ
)
といい、
業平
(
なりひら
)
という、
武蔵野
(
むさしの
)
の昔は知らず、遠くは多くの江戸
浄瑠璃
(
じょうるり
)
作者、近くは河竹
黙阿弥
(
もくあみ
)
翁
(
おう
)
が、
浅草寺
(
せんそうじ
)
の鐘の音とともに、その殺し場のシュチンムングを、最も力強く表わすために
大川の水
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その
頃
(
ころ
)
翁
(
おう
)
は
直接
(
ちよくせつ
)
撮影塲
(
さつえいぜう
)
に出るといふやうなことはなかつたが、
頭
(
あたま
)
のすつかり
銀髮
(
ぎんはつ
)
になつた、
額
(
ひたい
)
の
廣
(
ひろ
)
い、あごの
角張
(
かどは
)
つた
翁
(
おう
)
の
顏
(
かほ
)
を、この人が
寫眞
(
しやしん
)
の
元祖
(
ぐわんそ
)
だといふ風な一
種
(
しゆ
)
の
敬意
(
けいい
)
を以て
眺
(
なが
)
めたことが
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
老齡
(
ろうれい
)
と
棋
(
き
)
力の
衰頽
(
すいたい
)
と、これは
悲
(
かな
)
しい事に如何ともし
難
(
かた
)
いものだからだ。
僕
(
ぼく
)
は出でて
戰
(
たゝか
)
はざる如き
棋士
(
きし
)
は如何なる
棋
(
き
)
力ありとも
到底
(
とうてい
)
尊敬
(
そんけい
)
出來ぬが、その
意味
(
いみ
)
では小菅
翁
(
おう
)
の
詞
(
ことば
)
に同
感
(
かん
)
し
能
(
あた
)
はぬでもない。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
安政二年
(
あんせいにねん
)
十月二日
(
じゆうがつふつか
)
の
江戸大地震
(
えどだいぢしん
)
に
於
(
おい
)
て、
小石川
(
こいしかは
)
の
水戸屋敷
(
みとやしき
)
に
於
(
おい
)
て
壓死
(
あつし
)
した
藤田東湖先生
(
ふぢたとうこせんせい
)
の
最後
(
さいご
)
と、
麹町
(
かうじまち
)
神田橋内
(
かんだばしない
)
の
姫路藩邸
(
ひめぢはんてい
)
に
於
(
おい
)
て
壓死
(
あつし
)
した
石本李蹊
(
いしもとりけい
)
翁
(
おう
)
の
最後
(
さいご
)
は
全
(
まつた
)
く
同
(
おな
)
じ
轍
(
てつ
)
を
踏
(
ふ
)
まれたものであつた。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
落書
(
らくがき
)
に恋しき君が名もありて
翁
(
おう
)
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
“翁”の意味
《名詞》
(オウ)男性の老人の漢語的表現。人名の後ろにつけて敬称とすることもある。
(おきな)男性の老人。
(出典:Wiktionary)
“翁”の解説
翁(おきな)は、年取った男、老人を親しみ敬って呼ぶ語。他人を呼ぶ時に使うと敬う意味になり例:「芭蕉翁」、「竹取の翁(竹取物語)」など、自身を呼ぶ時に使うとへりくだる意味になる。
(出典:Wikipedia)
翁
常用漢字
中学
部首:⽻
10画
“翁”を含む語句
沙翁
老翁
主翁
信天翁
芭蕉翁
白頭翁
翁媼
玄翁
父翁
翁様
塞翁
翁草
奈翁
拿翁
大奈翁
篁村翁
乃翁
山東翁
翁島
笠翁
...