“嗡(おう)” の例文
灸所(きゅうしょ)の痛手に金眸は、一声嗡(おう)と叫びつつ、敢(あえ)なく躯(むくろ)は倒れしが。これに心の張り弓も、一度に弛みて両犬は、左右に摚(どう)と俯伏(ひれふ)して、霎時(しばし)は起きも得ざりけり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
窠宿の方へ走り往(ゆけ)ば、狐はかくと見(みる)よりも、周章狼狽(あわてふためき)逃げ行くを、なほ逃(のが)さじと追駆(おっか)けて、表門を出(いで)んとする時、一声嗡(おう)と哮(たけ)りつつ、横間(よこあい)より飛(とん)で掛るものあり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)