おう)” の例文
また、つぎのいもうとはなになり、おとうと小鳥ことりになったことをおうさまにらせますと、それをも魔法使まほうつかいをとおして、きたいとおもわれました。
王さまの感心された話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこで、いくらかの抗弁はこころみたものの、相手は、役職も上だし、禁門のおう師範とあっては、役人づら権柄けんぺいも歯が立たなかった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おうさまをはじめ諸侯しょこうが、そこにお見えになるのよ。そして、そういうすばらしい御殿のあることが、この地方の名誉めいよとなるでしょう。
ばったり であった ひつじかいのおかみさんから、ごわごわの毛布もうふをはぎとって、それを、おうさまのところへ もってかえってきました。
人々ひとびとこころせよ、それはなんじらを衆議所しゅうぎしょわたし、会堂かいどうにてむちうたん。また汝等なんじらわがゆえによりて、つかさたちおうたちのまえかれん。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
するとある日天羅国てんらこく班足王はんそくおうというおうさまがりのかえりにわたしをつけて、御殿ごてんかえっておきさきになさいました。
殺生石 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
うたの きょくは、うつくしい しなの まいこが、おうさまに しりぞけられたのを かなしんで、あまさんに なる、と いう、あわれな うたでした。
一休さん (新字新仮名) / 五十公野清一(著)
かれはたくさんの書物しょもつんだが、なかでも愛好あいこうしてやまなかったのは『ロビンソン』『リアおう』『ドン・キホーテ』などで、これらのしょはほとんどそらでおぼえていた。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
けだし元帝兵を挙げて賊をちゅうけいに入らんことを図る。時に河東かとう王誉おうよ、帝に従わず、かえって帝の子ほうを殺す。帝鮑泉ほうせんりて之を討たしめ、又おう僧弁そうべんをして代って将たらしむ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一行は幼いとき甚だ貧窮であって、隣家のおうという老婆から常に救われていた。
「私は広陵こうりょうおう十八という者です。どうか路案内をさしてください。」
庚娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
魔法使まほうつかいは、うつくしいはなまえにいって、おなじようにいのりをささげました。はなは、魔法使まほうつかいをとおして、おうさまにおこたもうしあげました。
王さまの感心された話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ところが、ふたりのにいさんは、またまた もんくをいいだしました。おうさまのみみが きこえなくなるくらいの大声おおごえで、わめきたてるのです。
ごぞんじの安楽村に、おうっていう安宿やすやどがありまさ。宿屋掟やどやおきてのご定法じょうほうで、毎晩の泊り客には、行く先、職業、住所、年齢をちゃんと書かせる。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おうさまや、ぼうさんや、貴族きぞくや、商人しょうにんなどがてるものは、ごくわずかの年月としつきしか、つづかないものだと思います。
こうして為朝ためともは十ねんたたないうちに、たくさんのしましたがえて、うみおうさまのようないきおいになりました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そう(南朝)の元嘉げんか年間のはじめである。富陽ふようの人、おうという男がかにを捕るために、河のなかへやなを作って置いて、あくる朝それを見にゆくと、長さ二尺ほどの材木が籪のなかに横たわっていた。
ある晩方ばんがたあかふねが、浜辺はまべにつきました。そのふねは、みなみくにからきたので、つばめをむかえに、おうさまが、よこされたものです。
赤い船とつばめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
茶店のおう婆さんは下へもかない。——これなん、こんな安茶店の床几しょうぎへなど滅多にお腰をすえる旦那ではなかったもの。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふたりのにいさんは、またしても しょうちしません。いつまでもいつまでも、おうさまに、うるさくせがみました。
日羅にちらった言葉ことばは、人間にんげんくるしみをすくってくださる観世音菩薩かんぜおんぼさつに、そしてこのたびひがしての日本にほんくにおうさまにまれて、ほとけおしえをひろめてくださるおかた
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
でも、あたしは、いつも、おうさまからは、王冠おうかんがどうなるだろうとか、法王ほうおうからは、かぎがどうなるだろうとか、そういうようなことばかりきかれているのですよ。
永平えいへい初年のことである。姓はおう、名は恵進けいしんという僧があった。
青年せいねんは、またちみがあるのでうれしそうなかおつきをして、いっしょうけんめいにかがやかしながら、相手あいておうさまをっていました。
野ばら (新字新仮名) / 小川未明(著)
じつは天災てんさいというのもわたしがじゅつをつかってさせたのですが、おうはこれをらないものですから、わたしのいうとおりに、毎日まいにちつみのない人民じんみんを十にんずつころして、千にんくびをまつりました。
殺生石 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
おうという役人は大定年中に死んだ。
これをおきになった、おうさまは、ふかうれいにしずまれました。いつしかかがりえて、管弦かんげんんでしまったのでございます。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると人民じんみんおうをうらんで、あるとき一揆いっきこしておうころしました。そしてわたしをつけて、りにしようとさわぎました。わたしはとうにして、山の中にかくれました。
殺生石 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
このとき魔法使まほうつかいは、つえをげておうさまをたたきますと、不思議ふしぎおうさまの姿すがたせて、そこには一のはまぐりがのこりました。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こういって、為朝ためともはここでもおうさまのような威勢いせいになりました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
むかし、あるくに金持かねもちのおうさまがありました。その御殿ごてんはたいそうりっぱなもので、ぜいたくのあらんかぎりをくしていました。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ほんとうに九州きゅうしゅうおうさま同様どうようだったのです。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
わたしが、こちらへかえります時分じぶんには、おうは、みなみしまふねされて、そのしま山谷さんこくいているらんのはなをとりにまいられました。
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)
おうさまは、おんないているのをて、家来けらいつかわして、そのいている理由いわれをたずねられました。いもうとは、一始終しじゅうのことを物語ものがたりました。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ふじのはなくにおうさまは、どちらかといえば、そんなに欲深よくぶかひとではなかったのでした。けれど、きさきは、たいそうひすいをあいされました。
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なんでもみなみくにおうさまが、このくすりくにけておさがしになっているということをいて、いまってゆく途中とちゅうにあるのです。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おうさまはこの言葉ことばをおきになると、まことにそのこころがけを感心かんしんなされました。そうして、永久えいきゅうはなあいされたのであります。
王さまの感心された話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おうさまの命令めいれいによって、そのうらなしゃは、されました。うらなしゃは、やまのぼって、かねのそばにすわって、いのりをささげたのでした。
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんは、このあたりでは、だれ一人ひとり、「うみおうさま」といえば、らぬものはないほど、船乗ふなのりの名人めいじんでありました。
一本の銀の針 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おうさまは、これをおきになると、たいへんにいもうとをあわれにおもわれました。そして、家来けらいなかから魔法使まほうつかいのじいさんをおびになりました。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おうさまのおゆるしであるから、うたをうたいたいものはうたい、おどりたいものは、おどるがいいぞ。」と、家来けらいつたえました。
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)
おうさまは、そのはなしかれると、どくおもわれ、あつくおじいさんをいたわられて、ふねせて故郷こきょうかえしてやられました。
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)
とりなかおうさまになったといってありがたがった。それを、おまえさんは、かえって、不平ふへいおもうとは、どういうことだ。
すみれとうぐいすの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おうさまは、戦争せんそうからおかえりなさると、そのうつくしいおきさきをおもらいになりました。三ごく一の美人びじんですけれど、まだおわらいになったことがありません。
春の日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おまえはまだらないが、おさまはそら大王だいおうだ。おれは、このいけおうさまなんだ。なんとこのいけひろいもんじゃないか。
太陽とかわず (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いいえ、おうさま、これは めずらしい ものです。きっと にんげんの すむ おか から、なみに もまれて ながれて きた ものです。」
うみぼうずと おひめさま (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あなたが みんなの ねがいを きいて くださるなら わたしたちは あなたを うみの おうさまと あがめます。」
うみぼうずと おひめさま (新字新仮名) / 小川未明(著)
どうしたら、あいするおきさきわらってくれるだろうか? おうさまは、やま宝物ほうもつをおきさきまえまれました。けれど、やはりおわらいにはなりませんでした。
春の日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けると、はるかした波間なみまに、あかふねが、暴風ぼうふうのために、くつがえっているのをました。それは、おうさまのおむかえにされたあかふねです。
赤い船とつばめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
おうさまは、ここにはじめて、みずからのちからをたよることのいちばん安心あんしんなのをさとられ、あくるとしから、あかふねすことを見合みあわせられたのであります。
赤い船とつばめ (新字新仮名) / 小川未明(著)