“覇王樹”のいろいろな読み方と例文
旧字:霸王樹
読み方割合
さぼてん33.3%
サボテン33.3%
しやぼてん8.3%
しゃぼてん8.3%
はおうじゅ8.3%
シヤボテン8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この覇王樹さぼてんも時と場合によれば、余のはくを動かして、見るや否や山を追い下げたであろう。とげに手を触れて見ると、いらいらと指をさす。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
朽ちはてた外柱そとばしらには、日あたりがよくてか、覇王樹サボテンや竜舌蘭など匍ひ絡んではゐるものの、掛け忘られた数珠の緒の二くさり三くさり、もうぼろぼろに腐れかけてる。これが仏のゐられる寺だ。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ゲリジムの山頂には古き建物の跡多く、エバルの山には一面に覇王樹しやぼてんしげれり。覇王樹は土地の人新芽を皮剥きて咀嚼す。
それは白地に覇王樹しゃぼてんのような型を置いた浴衣ゆかたを著て、手に団扇うちわを持っていた。
女の出る蚊帳 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
しかも澄ましたものだ。いかなるこれぶつと問われて、庭前ていぜん柏樹子はくじゅしと答えた僧があるよしだが、もし同様の問に接した場合には、余は一も二もなく、月下げっか覇王樹はおうじゅこたえるであろう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何々石とかいふ岩石が、水ですり磨され、覇王樹シヤボテンのやうに突ツ張つてむらがつてゐる、どの石もみんな深成岩しんせいがんと言はれてゐる花崗岩くわかうがんで、地殻の最下層の、岩骨が尖り出て
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)