“さぼてん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サボテン
語句割合
仙人掌58.3%
覇王樹33.3%
石鹸天8.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
静かな夏の日の独居ひとりゐが私の心をまた小さな仙人掌さぼてんの刺のうへに留らせ、黄色い名も知れぬ三ツの花のうへにしみじみと飛びうつらす。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
性、気みじかで、すぐ雷声かみなりごえを出すところから霹靂火のあだ名があり、ひとたび狼牙棒ろうがぼうとよぶ仙人掌さぼてんのような針を植えた四尺の棒を打てば万夫不当ながいがあった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは「気候温和にして」と地理の本にもあるような、わがにっぽん国ではちょっと想像出来ないかも知れないが、砂漠と仙人掌さぼてん竜舌蘭りゅうぜつらんのすぺいんなんかでは、誰でも或る程度まで体験する感情に相違ない。
木下は仙人掌さぼてんの花が一番好きだと云った。
二つの途 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
本堂の前に四五尺もある仙人掌さぼてんがあつた。
真珠 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
腐りただれて穴のあいた顔の様に、気味悪いあなめ、ヌルヌルした肌をおののかせ、無恰好な手足を藻掻もがく、大蜘蛛の様なえぞわかめ、水底の覇王樹さぼてんと見えるかじめ
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
この覇王樹さぼてんも時と場合によれば、余のはくを動かして、見るや否や山を追い下げたであろう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
夏早やも棘に花さく覇王樹さぼてんの琉球びともすべなかるらし (某々両先生に二首)
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
覇王樹さぼてんのくれなゐの花海のべの光をうけてはつし居り
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
近寄って見ると大きな覇王樹さぼてんである。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
残暑の日が長たらしく続き、それが水の上の生活を沙漠さばくに咲き誇る石鹸天さぼてんの様に荒廃させた。
水に沈むロメオとユリヤ (新字旧仮名) / 神西清(著)