“仙人掌”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
さぼてん53.8%
サボテン38.5%
しゃぼてん7.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
静かな夏の日の独居ひとりゐが私の心をまた小さな仙人掌さぼてんの刺のうへに留らせ、黄色い名も知れぬ三ツの花のうへにしみじみと飛びうつらす。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
性、気みじかで、すぐ雷声かみなりごえを出すところから霹靂火のあだ名があり、ひとたび狼牙棒ろうがぼうとよぶ仙人掌さぼてんのような針を植えた四尺の棒を打てば万夫不当ながいがあった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは「気候温和にして」と地理の本にもあるような、わがにっぽん国ではちょっと想像出来ないかも知れないが、砂漠と仙人掌さぼてん竜舌蘭りゅうぜつらんのすぺいんなんかでは、誰でも或る程度まで体験する感情に相違ない。
木下は仙人掌さぼてんの花が一番好きだと云った。
二つの途 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
本堂の前に四五尺もある仙人掌さぼてんがあつた。
真珠 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
わが邦の今も小児のみか大人まで蟹の両眼八足を抜いて二蛪つめのみであるかせたり蠅の背中に仙人掌サボテンとげを突っ込みのぼりとして競争させたり
ガラス張の屋内温室の、棕梠や仙人掌サボテンの間に籐椅子がいくつかあり、その一つの上に外国新聞がおきっぱなしになっている。人がいた様子だけあって、そこいらはしんとしている。
スモーリヌイに翻る赤旗 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
低い、影の蹲ったようないら草の彼方此方から、巨大な仙人掌サボテンがぬうっと物懶く突立っていた。
翔び去る印象 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
墓地へ行く道に、巨きな仙人掌サボテンが繁つてゐて、いまでも、私、よく覚えてゐるのよ。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
ふるさとも可懐なつかしい、わずかに洋杖ステッキをつくかつかぬに、石磴の真上から、鰻が化けたか、仙人掌サボテンが転んだか、棕櫚しゅろが飛んだか、もののたくましい大きな犬が逆落しに(ううう、わん、わんわん!)
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
超現実派タンギーの絵画「マダムと仙人掌しゃぼてん」がかかっていたのには、すっかり感心して了いました。