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応
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おう
ふりがな文庫
“
応
(
おう
)” の例文
旧字:
應
ケートは富士男、ガーネット、イルコックらの父母から、しきりに永久客分として
招聘
(
しょうへい
)
せられたが、かの女はいずれにも
応
(
おう
)
じなかった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
否
(
いな
)
か
応
(
おう
)
か。介三郎が求めるものに対して、又四郎がどうしてもうんといわないのだった。そのあいだの論争はもう尽きての
挙句
(
あげく
)
らしい。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『できても、できなくても一
応
(
おう
)
神様
(
かみさま
)
に
談判
(
だんぱん
)
して
戴
(
いただ
)
きます。これ
位
(
くらい
)
の
願
(
ねが
)
いが
許
(
ゆる
)
されないとあっては、
俺
(
わし
)
にも
料簡
(
りょうけん
)
がござります……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
時間のゆるすかぎり、
糟谷
(
かすや
)
は
近郷
(
きんごう
)
の人の
依頼
(
いらい
)
に
応
(
おう
)
じて
家蓄
(
かちく
)
の
疾病
(
しっぺい
)
を見てやっていた。
職務
(
しょくむ
)
に
忠実
(
ちゅうじつ
)
な考えからばかりではないのだ。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
此地火一に
陰火
(
いんくわ
)
といふ。かの
如法寺村
(
によほふじむら
)
の陰火も
微風
(
すこしのかぜ
)
の
気
(
き
)
いづるに
発燭
(
つけぎ
)
の火をかざせば
風気
(
ふうき
)
手
(
て
)
に
応
(
おう
)
じて
燃
(
もゆ
)
る、
陽火
(
やうくわ
)
を
得
(
え
)
ざれば
燃
(
もえ
)
ず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
それを
石橋
(
いしばし
)
と
私
(
わたし
)
とで
頻
(
しきり
)
に
掘出
(
ほりだ
)
しに
掛
(
かゝ
)
つた、すると
群雄
(
ぐんいう
)
四方
(
しはう
)
より
起
(
おこ
)
つて、
響
(
ひゞき
)
の声に
応
(
おう
)
ずるが
如
(
ごと
)
しです、
是
(
これ
)
が
硯友社
(
けんいうしや
)
創立
(
さうりつ
)
の
導火線
(
だうくわせん
)
と
成
(
な
)
つたので
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
否
(
いや
)
も
応
(
おう
)
もありません。平次とガラッ八は長兵衛を引立てて源助町まで飛びました。今度こそは一挙に事件の謎が解けそうです。
銭形平次捕物控:133 井戸の茶碗
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
また
扉
(
ドア
)
を叩くものがあった。部下の多田刑事であることは開けてみるまでもないことだった。
応
(
おう
)
と答えると、果して多田刑事が入ってきた。
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「はい、そりゃァもう、あたしに
取
(
と
)
っては
勿体
(
もったい
)
ないくらいの
御贔屓
(
ごひいき
)
、いや
応
(
おう
)
いったら、
眼
(
め
)
がつぶれるかも
知
(
し
)
れませぬが。……」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「まあお嬢様、そんなにお改まりあそばして、何の御用でもわたくしに仰せつけ下さるのに、
否
(
いや
)
の
応
(
おう
)
がございますものですか」
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
つまり若林の立場としては、
否
(
いや
)
でも
応
(
おう
)
でも、この事件の真犯人を
有耶無耶
(
うやむや
)
に葬り去る事が、どうしても出来ない立場におるのだ。……
然
(
しか
)
るにだ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
応
(
おう
)
。」と、涼しく答えますと、御装束の姿もあたりを払って、悠然と御庭へ
御下
(
おお
)
りになりましたのは、別人でもない堀川の若殿様でございます。(未完)
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
厭
(
いや
)
でも
応
(
おう
)
でも菜の花の咲いている景色をそのままに写さねばなるまい。菜の花畑の間に細い
小路
(
こみち
)
があるのが面白ければ、その小路も写さなければなるまい。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
しかし、ジャックにしてもベルナールにしても、マルセルにしても、またロジェにしても、
哲学者
(
てつがくしゃ
)
ではありません。四人は
自分
(
じぶん
)
の
脚
(
あし
)
に
応
(
おう
)
じた歩き方をします。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
此時だ、此時彼は例の通り
素裸
(
すっぱだか
)
で薩摩下駄をはき、
手拭
(
てぬぐい
)
を持って、
突
(
つ
)
と庭に出る。日ざかりの日は、得たりや
応
(
おう
)
と真裸の彼を目がけて真向から
白熱箭
(
はくねつせん
)
を射かける。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「そないなったら、あんたかて
嫌
(
いや
)
でも
応
(
おう
)
でも事件の中い捲き込まれてしまいますで」いいますのんで、「いや、御好意は分りました。御親切に対しては感謝します」
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
金の
尻
(
しり
)
ぺたを
打叩
(
ぶったゝ
)
くって、これは妙だのう、そうだが多助さん段々金が貯って来ると使わなくっちゃならない事が出来てくるぜ、
交際
(
つきあい
)
で
否
(
いや
)
でも
応
(
おう
)
でも旨い物を喰い
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
むずかしい表情はしているものの、やはり社会大変革の手が当時の若者に分与した夢を抱いていたのだろう。
否
(
いや
)
でも
応
(
おう
)
でも抱かねばならなかった立身出世の夢である。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
それ故、その総体的の方向を変化させる力などは、もちろん持たなかった彼女は、当然来るべき孤独のうちに、
否
(
いや
)
でも
応
(
おう
)
でも自らを見出さなければならなかったのである。
地は饒なり
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「
如何
(
いか
)
にも。」と
片手
(
かたて
)
を
握
(
にぎ
)
つて、
片手
(
かたて
)
を
其
(
そ
)
の
蒼
(
あを
)
い
頬
(
ほゝ
)
げたに
並
(
なら
)
べて、
横
(
よこ
)
に
開
(
ひら
)
いて
応
(
おう
)
じたのである。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
SH
氏
(
し
)
はこのアンコールに
応
(
おう
)
じて、
再
(
ふたゝ
)
び
立
(
た
)
つて
行
(
い
)
つた。そして
前
(
まえ
)
よりも
安易
(
あんい
)
な
調子
(
てうし
)
で
謳
(
うた
)
つた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
しかるにその内容は、自分をいや
応
(
おう
)
なしに原典批判的な問題に連れて行ったのである。自分の読んだ刊本は、『春曙抄』を本とし『盤斎抄』によって校訂したものであった。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
因
(
よつ
)
て
其駁雑
(
そのはくざつ
)
を
刪
(
けづ
)
り、
校訂
(
かうてい
)
清書
(
せいしよ
)
し、
図
(
づ
)
は
豚児
(
とんじ
)
京水に
画
(
ゑがゝ
)
しめしもの三巻、
書賈
(
しよか
)
の
請
(
こひ
)
に
応
(
おう
)
じ老人に
告
(
つげ
)
て
梓
(
し
)
を
許
(
ゆる
)
し
以
(
もつて
)
世
(
よ
)
に
布
(
しき
)
しに、
発販
(
はつはん
)
一挙
(
いつきよ
)
して七百
余部
(
よぶ
)
を
鬻
(
ひさげ
)
り。
是
(
これ
)
に
依
(
より
)
て
書肆
(
しよし
)
後編
(
こうへん
)
を
乞
(
こ
)
ふ。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
本陣問屋庄屋の仕事は
否
(
いや
)
でも
応
(
おう
)
でも半蔵の肩にかかって来た。その年の十月十九日の夜にはまた、馬籠の宿は十六軒ほど焼けて、半蔵の生まれた古い家も一晩のうちに灰になった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
おおいと呼べば
応
(
おう
)
と答えて
渡守
(
わたしもり
)
が舟を出す位だが、東側は
唯
(
ただ
)
もう山と畠で持切って、それから向うへは波の上一里半、
麻生天王崎
(
あそうてんのうさき
)
の
大松
(
おおまつ
)
も、
女扇
(
おんなおうぎ
)
の絵に
画
(
か
)
く
子日
(
ねのひ
)
の松位にしか見えない。
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
帝、人多ければ得失を生ずる無きを得ず、とて
麾
(
さしまね
)
いて去らしめたもう。
御史
(
ぎょし
)
曾鳳韶
(
そうほうしょう
)
、願わくは死を以て陛下に報いまつらん、と云いて退きつ、
後
(
のち
)
果して燕王の
召
(
めし
)
に
応
(
おう
)
ぜずして自殺しぬ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
賢
(
かしこ
)
そうに言っている。山城守は、一
応
(
おう
)
もっともというようにうなずいたのち
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
彼の面目を
傷
(
きずつ
)
けることにもなるので、よくよくの場合でなければ拷問を行わないことにしているのであるが、相手が強情でどうしても自白しない場合には、
否
(
いや
)
でも
応
(
おう
)
でも拷問を行う外はない。
拷問の話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
実際自分には、あらゆる点で、
否
(
いや
)
でも
応
(
おう
)
でも変わった所があるのだ。
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
「しかしもう少し待ってたまえ。
否
(
いや
)
でも
応
(
おう
)
でも聴かされるよ」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あたしがおまえの生みの母だと云われ、いっしょに来ておくれと云われたときには、——ええ、あたしには
否
(
いや
)
も
応
(
おう
)
もありませんでした、うれしくって、夢でもみているような気持でいっしょについてゆきました」
赤ひげ診療譚:02 駈込み訴え
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
と、
応
(
おう
)
じました。杉作も
必死
(
ひっし
)
でした。
いぼ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
其声
(
そのこゑ
)
に
応
(
おう
)
じて
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
応
(
おう
)
小熊秀雄全集-06:詩集(5)飛ぶ橇
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
此地火一に
陰火
(
いんくわ
)
といふ。かの
如法寺村
(
によほふじむら
)
の陰火も
微風
(
すこしのかぜ
)
の
気
(
き
)
いづるに
発燭
(
つけぎ
)
の火をかざせば
風気
(
ふうき
)
手
(
て
)
に
応
(
おう
)
じて
燃
(
もゆ
)
る、
陽火
(
やうくわ
)
を
得
(
え
)
ざれば
燃
(
もえ
)
ず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
応
(
おう
)
とも、
否
(
いな
)
とも、陳宮が答えないまに、陳登はそう云い放したまま、すぐ駒にとび乗って、闇の中へ馳け去ってしまった。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうおもった彼は、
得
(
え
)
たりや
応
(
おう
)
と、ノーマ号でがんばることに決めてしまったのである。ノーマ号が、これからなにをするか、それを監視してやろう。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
否
(
いや
)
と言っても
応
(
おう
)
と言っても、こうなったからは仕方がございませぬ、わたしはどうしたらようございましょう」
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
……もしそうとすれば私は、
否
(
いや
)
でも
応
(
おう
)
でも彼女のために、私自身の過去の記念物を、この部屋の中から探し出してやらねばならぬ責任が在ることになる。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そして
私
(
わたくし
)
には
敦子
(
あつこ
)
さまのなされたことが、一
応
(
おう
)
尤
(
もっと
)
もなところもあるが、さて
何
(
なに
)
やら、しっくり
腑
(
ふ
)
に
落
(
お
)
ちないところもあるように
考
(
かんが
)
えられて
仕方
(
しかた
)
がないのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
与母吉の顔を見ると、仙太は
以
(
もっ
)
ての外の様子でこう
極
(
き
)
め付けました。その後から相模屋の敷居を
跨
(
また
)
いだガラッ八は、
厭
(
いや
)
も
応
(
おう
)
もなく、それと顔を合せてしまったのです。
銭形平次捕物控:047 どんど焼き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
漸々
(
よう/\
)
此の位に仕上げたから、これから私が楽をしようと思ってるに、
否
(
いや
)
も
応
(
おう
)
もあるものか、親の言葉を背く餓鬼ならば
女郎
(
じょうろ
)
にでも叩き売って仕舞います、
利
(
き
)
いた
風
(
ふう
)
な
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
富士男は毎日毎夜、諸学校、
諸倶楽部
(
しょクラブ
)
等の依頼に
応
(
おう
)
じて、
遭難
(
そうなん
)
てんまつの講演にいそがしかった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
とある大字のわきに小さく「
病畜
(
びょうちく
)
入院
(
にゅういん
)
の
求
(
もと
)
めに
応
(
おう
)
じ
候
(
そうろう
)
」と書いてある。板の新しいだけ、なおさら
安
(
やす
)
っぽく、
尾羽
(
おは
)
打
(
う
)
ち
枯
(
か
)
らした、
糟谷
(
かすや
)
の心のすさみがありありと
読
(
よ
)
まれる。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
(二十三年四月)
廿
(
にぢう
)
二年の十二月でした、
篁村翁
(
くわうそんおう
)
が
読売新聞社
(
よみうりしんぶんしや
)
を
退
(
ひ
)
いたに
就
(
つ
)
いて、
私
(
わたし
)
に入社せぬかと
云
(
い
)
ふ
高田氏
(
たかだし
)
からの
交渉
(
かうしやう
)
でしたから、
直
(
すぐ
)
に
応
(
おう
)
じて、
年内
(
ねんない
)
に
短篇
(
たんぺん
)
を書きました
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
否
(
いや
)
でも
応
(
おう
)
でも境遇に我等は支配される。我々の
邦
(
くに
)
では一切の事が兎角徹底せぬわけである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
肝腎
(
かんじん
)
の
芝居
(
しばい
)
が
出来
(
でき
)
ないとまでいった
挙句
(
あげく
)
、いや
応
(
おう
)
なしに
持
(
も
)
って
行
(
い
)
かれてしまったものだ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
人間の気を奪ふため、
故
(
ことさ
)
らに
引込
(
ひきこ
)
まれ/\、やがて
忽
(
たちま
)
ち
其
(
その
)
最後の
片翼
(
かたつばさ
)
も、城の石垣につツと消えると、いままで
呼吸
(
いき
)
を詰めた、
群集
(
ぐんじゅ
)
が、
阿
(
あ
)
も
応
(
おう
)
も
一斉
(
いっとき
)
に、わツと鳴つて声を揚げた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
然
(
しか
)
るに、妙子に同行して東京へ出かければ、
否
(
いや
)
でも
応
(
おう
)
でも本家と妙子との間に立たされる羽目になり、ややもすれば姉に口説かれて、心ならずも本家に味方せざるを得なくなるであろう。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
東海道方面を回らないほどの旅人は、
否
(
いや
)
でも
応
(
おう
)
でもこの道を踏まねばならぬ。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
応
常用漢字
小5
部首:⼼
7画
“応”を含む語句
饗応
相応
応答
応対
手応
反応
感応
応酬
応接間
応接
応身
否応
応援
一応
応接室
応揚
因果応報
御饗応
不相応
応報
...