“否応”のいろいろな読み方と例文
旧字:否應
読み方割合
いやおう98.1%
いなおう1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
否応いやおういわさずに彼を寺中へ引き入れて、西廊の薄暗い一室へ連れ込むと、そこには麗卿が待ち受けていて、これも男の無情を責めた。
世界怪談名作集:18 牡丹灯記 (新字新仮名) / 瞿佑(著)
彼はその渇望に、幼年時代からすでにさいなまれていて、他人にもそれを求め、否応いやおうなしにそれを他人へも押しつけようとしていた。
あの男の頸がその中央まんなか辺に落ちれば、否応いなおうなくちょうど絞索こうさくのような形が、そこに出来上がってしまうでしょう。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それが自らの身の上に及んで来て、共犯者だと云はれて、否応いなおうなしに令状を執行されて、極重悪人の罪名を附せられた。呆気ないと云はうか、夢の如しと云はうか、馬鹿々々しいと云はうか。
逆徒 (新字旧仮名) / 平出修(著)