“いやおう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
否応81.4%
嫌応7.0%
厭応5.4%
否應3.1%
忌応1.6%
否唯0.8%
嫌應0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼はその渇望に、幼年時代からすでにさいなまれていて、他人にもそれを求め、否応いやおうなしにそれを他人へも押しつけようとしていた。
雲水空善が、懐から出した一枚の絵図面を真ん中に置くと、絵柄はピタリと合って、嫌応いやおうもなく三人の眼を吸い寄せます。
大江戸黄金狂 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「俺が追ひだすのぢやなからうさ。戦争が厭応いやおうなしに追ひだしてしまふだらうな。命だつて、この頃の空襲の様子ぢや、あまり長持ちもしないやうな形勢だぜ」
戦争と一人の女 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
中庭を見やりながら彼れが考へた事は、理窟としてゞなしに、實感として否應いやおうなしに彼れに逼つた。
実験室 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
そこへ日が暮れてから出向くのは少し難儀だとも思ったが、これも商売である。まして十五両という大きい商いをするのであるから、喜右衛門も忌応いやおうは云っていられなかった。
半七捕物帳:41 一つ目小僧 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
これはお稲荷いなりさまの下さった鯛だと云って、直ぐに料理をして、否唯いやおうなしに箕村に食わせたそうだ。
独身 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
難癖なんくせをつけて追出すことを考へた、——賣女根性ばいたこんじやうの——江戸一番の性惡娘を、この錦太郎に押し付け、嫌應いやおう言はせぬ祝言させようといふのは、皆んなそのためだ。