“尾羽”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
おは53.5%
をは18.6%
をば14.0%
おば9.3%
おばね2.3%
をばね2.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いや、いいます。あまりだからいうのです。まるで犬、猫のように、雨露をしのぐ場所もなく、尾羽おはうち枯らして放浪しておられた——。」
口笛を吹く武士 (新字新仮名) / 林不忘(著)
教えなかったのは私はこんな尾羽おは打ち枯らした貧乏くさい生活をしているのに柳沢はいつも洒瀟こざっぱりとした身装なりをして
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
可哀想かわいそうだと云う念頭に尾羽おはうち枯らした姿を目前に見て、あなたが、あの中学校で生徒からいじめられた白井さんですかと聞きただしたくてならない。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
また、「うち靡く春さり来れば小竹しぬうれ尾羽をはうちりて鶯鳴くも」(同・一八三〇)というのもあり、これも鶯の行為をこまかく云っている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「女子供の下駄は大抵たいてい同じやうなものだ、それが何うした。——尾羽をは打枯うちからして居るがこれでも武士の端くれだぞ。何んの爲に人の家へ入つた。先づそれを言へツ」
廿七年來、誠に融通のきかなかつた舊幕人たちが、しかも尾羽をはち枯らした連中が刀を貰ひにくるのだ。
日本橋あたり (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
水門のほうへゆるく弧をひろげた池のくまの、そこだけが夕陽で茜色に染まった乱杭石らんぐいせきのうえに、すすぼけた真鶴まなづるが一羽、しょんぼりと尾羽をばを垂れて立っている。冬木は、
西林図 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
尾羽をば矢羽根やばねよ、鳴くつる
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
ればみを。尾羽をばがろさのともすれば、
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
ところで、極彩色の孔雀くじゃくがきらきらと尾羽おばまるくひろげた夏の暑熱しょねつと光線とは、この旅にある父と子とをすくなからず喜ばせた。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
と、油紙に火がついたようにまくし立てながら、足もとに落ちていた鳥の尾羽おばのようなものを拾いあげて藤波のほうへ差しだし、
「ふん——ちゃちな面だなあ、陣幕や小野川の腕でぶたれたんなら知らぬこと、この尾羽おば打枯らした神尾の痩腕やせうでが、そんなにこたえるかい、一つぶたせりゃ十両になるんだ、この神尾の痩腕で……」
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
夫人は、この青年を、彼女の「足下あしもと」にひざまずかせようという意図でもあるように夫人の片言微笑には、孔雀くじゃく尾羽おばねを、一杯に広げたような勿体もったいぶった風情があり、華やかな巧緻なこびに溢れていた。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
青空や孔雀くじやく尾羽をばね、——
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)