“をば”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヲバ
語句割合
小母32.8%
伯母29.7%
叔母15.6%
尾羽10.9%
6.3%
3.1%
尊母1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これは渠がよく遊びに行く芸者のうちで、蝶吉と小駒の二人が、「小母をばさん」と呼ぶ此女を雇つて万事の世話を頼んで居る。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「ねえ、お父さん、指環をとりもどして。ねえ、真奈のだいじな、だいじな、広島ひろしま伯母をばさんから頂いた指環ですもの。ねえ、ねえ。」
かぶと虫 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
さて国経が酔臥ゑひふしたるを叔母をばを車にいだき入れて立かへり、此はらに生れたるを中納言敦忠あつたゞといふ、時平の不道ふだう此一を以て其余そのよるべし。
如何ぞとみゝ振立ふりたてうかゞへば折節をりふし人の歸り來りて語る樣は棟梁おかしらおほせとほり今日は大雪なれば旅人は尾羽をばちゞめ案の如く徒足むだあしなりしとつぶやきながら臺所へあがる其跡に動々どや/\と藤井左京を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
又国にほふし尼無し、是に於いて汝が父多須那たすな橘豊日たちばなのとよひの天皇(用明天皇)の為に出家いへでし、仏法をつつしゐやまひたり、又汝がをば島女しまめ初めて出家して、諸尼の導者みちびきとして、釈教ほとけのみのり修行おこなふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
海老腰や家の子のをば、寺詣で左手後ひだりあとあて、片手杖、なむなむのをば和子わこよしと、こなたかなしと、ひさびさぞよくわせぬとぞ、せはしとぞ、早や膳まゐる。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
尊父をぢさん、尊母をばさんの心にもなつて見たら、今の私にはそはされないのは、決して無理の無いところで、子を念ふ親のじようは、何処どこの親でも差違かはりは無い。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
盆過ぼんすぎには是非一度帰ります。然しね、お話をした通り尊父をぢさんや尊母をばさんの気が変つて了つておいでなのだから、鈴さんばかりそんなに思つてゐておくれでも、これがどうして、円く納るものぢやない。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)