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尾羽
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をば
水門のほうへゆるく弧をひろげた池の
隈の、そこだけが夕陽で茜色に染まった
乱杭石のうえに、
煤ぼけた
真鶴が一羽、しょんぼりと
尾羽を垂れて立っている。冬木は
如何ぞと
耳振立て
窺へば
折節人の歸り來りて語る樣は
棟梁の
仰の
通今日は大雪なれば旅人は
尾羽を
縮案の如く
徒足なりしとつぶやきながら臺所へ
上る其跡に
動々と藤井左京を
戯ればみを。
尾羽身がろさのともすれば
地に
曳く
尾羽の
重くして
戲ればみを。
尾羽身がろさのともすれば
張れる
尾羽より
風出でゝ