おう)” の例文
この辺の海からあがるトラ河豚ふぐみたいな顔をしている。おうへいはこういうひとの通例だが、より以上、いやな感じを与えるまなざしで
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まず、いきなりいかりをザンブと投げこんで、おう薄刃うすばのだんびらを持ち出す。——凄文句すごもんくよろしくならべて、約束の駄賃だちん以上な客の懐中物をせびるのだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
張は、李俊の義兄弟のひとりで、その名はおう異名いみょう船火児せんかじ——生れは江中こうちゅうの島——小孤山しょうこざんの産だという。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)