“横着”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おうちゃく70.2%
わうちやく19.3%
よこづけ7.0%
よこづ1.8%
わうぢやく1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから、彼女の横着おうちゃくな小さな胸に、どうせ箱の中を見たと疑われるなら、今すぐ見ておいたって同じことだという考えが浮かびました。
そのくせ鼠は毎晩のやうに天井裏てんじやううらを走りまはつてゐた。彼等は、——殊に彼の妻は猫の横着わうちやくを憎み出した。が、それは横着ではなかつた。
貝殻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
車夫は呼交わしてそのまま曳出ひきだす。米は前へ駆抜けて、初音はつねはこの時にこそ聞えたれ。横着よこづけにした、楫棒かじぼうを越えて、前なるがまず下りると、石滝界隈かいわいへ珍しい白芙蓉はくふようの花一輪。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それより少し前、水上署の大型ランチが、賊の汽船に横着よこづけになった。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
為様しやうのない横着わうぢやくな児で、今迄健の受持の二年級であつたが、外の教師も生徒等も、校長の子といふのでそれとなく遠慮してゐる。健はそれを、人一倍厳しく叱る。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)