“褐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かち24.1%
かつ24.1%
くり13.8%
かっ6.9%
かちん6.9%
あか6.9%
かば6.9%
ちゃ3.4%
ちゃいろ3.4%
ちや3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
黒點は次第にあざやかになりぬ。時に一人の老漁ありて、かちいろなる無庇帽つばなしばうしを戴き指を組み合せて立ちたりしに、不意にあなやと叫べり。
湖山はこれより先嘉永四年の冬かつき、参河国みかわのくに吉田の城主松平伊豆守信古のぶひさの儒臣となっていたので、海防に関する意見書を藩主に呈し
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ものいはず群れゐ木を挽く毛ごろものくりの頭巾の日の光はや
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
背の高い好男子で、清らかな眼、どちらも金かっ色の口ひげと小頤髯あごひげ、あけっ放しの快活な様子をしていた。ある日書留郵便をもってオリヴィエの室にはいって来た。
すでに夜も明け方になりしかば、武蔵坊弁慶は居たところへずんと立ち、いつも好むかちん直垂ひたたれ、水にをしどり脇楯わきだてし、三引両みつひきりやう弓籠手ゆごてさし……
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
礼拝堂の中には、あかい蒸気の微粒がいっぱいに立ちめていて、そのもやのような暗さの中で、弱い平穏な光線が、どこか鈍い夢のような形で漂うている。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
と据えて出し、腰をかがめたおうなを見よ。一筋ごとに美しくくしの歯を入れたように、毛筋がとおって、生際はえぎわの揃った、柔かな、茶にややかばを帯びた髪の色。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見て投ずる商い上手俊雄は番頭丈八が昔語り頸筋元くびすじもとからじわと真に受けお前には大事の色がと言えばござりますともござりますともこればかりでも青と黄とちゃ淡紅色ももいろ襦袢じゅばんの袖突きつけられおのれがと俊雄が思いきって引き寄せんとするを
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
若いざん切り頭の先生は、蒲団ふとんを隅の方へ押しやって、ちゃいろい畳の上で火鉢で御飯ごはんをたいていた。そして飯の出来るまでと言って、将棋しょうぎを教えてくれたりしたものであった。
簪を挿した蛇 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
ちやちやん 負けずに早くお駈け
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)