“かば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
庇72.2%
樺13.8%
河馬5.8%
庇護4.7%
蒲1.0%
褐0.4%
囘護0.2%
加波0.2%
加護0.2%
愛護0.2%
擁0.2%
花馬0.2%
蔽0.2%
覆0.2%
護0.2%
隠0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『な、なにをいうのじゃ』と、お菅は、懐中(ふところ)の乳呑(ちの)みでも庇(かば)うように、又、母性の聖厳(しょうごん)を、髪の毛に逆だてて、叱咤するかのように
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
緑も樺(かば)も橙(だいだい)も黄も、その葉の茂みはおのおのその膨らみの中に強い胸を一つずつ蔵していて、溢れる生命に喘いでいるように見える。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
翌暁、赭(あか)い泥河(でいが)のそばで河馬(かば)の声を聴いた。その、楽器にあるテューバのような音に、マヌエラは里が恋しくなってしまった。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
まだ癖(くせ)が止(や)まないかと一度(ど)は腹(はら)を立(たて)ても見(み)たり惘(あき)れもしたりしたが、然(しか)し何處(どこ)といつて庇護(かば)つてくれるものが無(な)いので恁(か)うして來(く)るのだと
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
陶はそこで蒲(かば)の莚(むしろ)で菊を包んで、それを数台の車に載せて何所かへ往ったが、翌年の春の中比(なかごろ)になって、南の方からめずらしい種を持って帰ってきた。
黄英 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
コトコトと嘴(はし)を鳴らし、短夜(みじかよ)の明けた広縁には、ぞろぞろ夥(おびただ)しい、褐(かば)色の黒いのと、松虫鈴虫のようなのが、うようよして、ざっと障子へ駆上(かけあが)って消えましたが、西瓜の核(たね)が化(な)ったんですって。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
されどフィレンツェを毀たんとて人々心をあはせし處にては、これをあらはに囘護(かば)ひたる者たゞわれひとりのみなりき 九一—九三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
かれ淫慾の非に耽り、おのが招ける汚辱を免かれんため律法(おきて)をたてゝ快樂(けらく)を囘護(かば)へり 五五—五七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
田園の果に、筑波(つくば)、加波(かば)の山波が夕陽を浴びて黄ばんでいた。その上に、山の高さの数倍の高さに、巨大な積乱雲が盛り上っていた。紅みがかった円い頭は、なおも高く湧き返っているようだった。
再び山へ (新字新仮名) / 松濤明(著)
武勇も然程(さほど)では無い者であったから、秀吉は氏郷に対して、木村をば子とも家来とも思って加護(かば)って遣れ、木村は氏郷を親とも主(しゅ)とも思って仰ぎ頼め、と命令し訓諭した。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
何処までも弱い者を愛護(かば)ふて下さる御仁慈(おなさけ)深い御分別にも頼(よ)り縋らいで一概に厭ぢやとは、仮令ば真底から厭にせよ記臆(ものおぼえ)のある人間(ひと)の口から出せた言葉でござりまするか
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
往来(ゆきゝ)も途絶えて物淋しい所へ、大の男がいきなりヌッとあらわれましたので、幸兵衞はぎょっとして遁(に)げようと思いましたが、女を連れて居りますから、度胸を据えてお柳を擁(かば)いながら
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
孫策の馬は、稀世の名馬で「五花馬(かば)」という名があった。多くの家臣をすてて、彼方此方、平地を飛ぶように馳駆(ちく)していた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黄金丸はいと不憫(ふびん)に思ひ、件(くだん)の雌鼠を小脇(こわき)に蔽(かば)ひ、そも何者に追はれしにやと、彼方(かなた)を佶(きっ)ト見やれば、破(や)れたる板戸の陰に身を忍ばせて、此方(こなた)を窺(うかが)ふ一匹の黒猫あり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
水夫の切ない動作を酒興の戯れかと思ひ違へた校長は、頤を引いて賞めそやしたが、娘はしつかりと袖の下に覆(かば)つて容易に其処には現しさうもなかつた。
山彦の街 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
我夙起(はやおき)の癖故に汝(そなた)までを夙起(はやおき)さして尚(なお)寒き朝風につれなく袖(そで)をなぶらする痛わしさと人を護(かば)う御言葉、真(しん)ぞ人間五十年君に任せて露惜(おし)からず
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
姫を背後(うしろ)に隠(かば)うと見るやキラリと太刀を引き抜いた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)