“小脇”の読み方と例文
読み方割合
こわき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼の電鈴でんれいを鳴して、火のそばに寄来るとひとしく、唯継はその手を取りて小脇こわきはさみつ。宮はよろこべる気色も無くて、彼の為すに任するのみ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
金縁きんぶち眼鏡の紳士林檎柿など山の如く盛りたる皿を小脇こわきにかゝへて「分捕々々ぶんどり/\」と駆けて来たまふなど、ポンチの材料も少からず。
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
舞台下の奈落ならくでは、一匹の野獣が麻酔剤に気を失った美しい女優を小脇こわきにかかえて、穴蔵の暗闇くらやみの世界を、気ちがいのように走っていた。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)