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褐
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かち
ふりがな文庫
“
褐
(
かち
)” の例文
黒點は次第に
鮮
(
あざや
)
かになりぬ。時に一人の老漁ありて、
褐
(
かち
)
いろなる
無庇帽
(
つばなしばうし
)
を戴き指を組み合せて立ちたりしに、不意にあなやと叫べり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その
傍
(
かたわら
)
に馬立てたる白髪の
翁
(
おきな
)
は
角扣紐
(
つのボタン
)
どめにせし緑の
猟人服
(
かりゅうどふく
)
に、うすき
褐
(
かち
)
いろの帽を
戴
(
いただ
)
けるのみなれど、何となく
由
(
よし
)
ありげに見ゆ。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
など云う
類
(
たぐい
)
の
楓
(
かえで
)
や
銀杏
(
いちょう
)
は、深く浅く鮮やかにまた
渋
(
しぶ
)
く、紅、黄、
褐
(
かち
)
、
茜
(
あかね
)
、紫さま/″\の色に出で、気の重い
常緑木
(
ときわぎ
)
や気軽な
裸木
(
はだかぎ
)
の間を
彩
(
いろ
)
どる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
褐
(
かち
)
の直垂に頭巾姿の土佐房を大庭に引き据えると、義経は笑いながらいった。
現代語訳 平家物語:12 第十二巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
さてその椅子は、彼等に甚だ親切で、
褐
(
かち
)
に
燻
(
いぶ
)
され
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
▼ もっと見る
柄鞘
(
つかざや
)
の黄金の桜
三
(
み
)
つ
明
(
あか
)
り大将刀ぞ
褐
(
かち
)
の糸巻
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そのかたわらに馬立てたる白髪の
翁
(
おきな
)
は
角
(
つの
)
ボタンどめにせし緑の
猟人服
(
かりうどふく
)
に、うすき
褐
(
かち
)
いろの帽をいただけるのみなれど、なにとなく
由
(
よし
)
ありげに見ゆ。
文づかい
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
褐
(
かち
)
色なる
方巾
(
はうきん
)
偏肩
(
へんけん
)
より垂れたるが、
巾
(
きれ
)
を
纏
(
まと
)
はざる
方
(
かた
)
の胸と
臂
(
ひぢ
)
とは悉く現はれたり。雙脚には何物をも着けざりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
田は黄色から
白茶
(
しらちゃ
)
になって行く。此処其処の雑木林や村々の落葉木が、最後の
栄
(
さかえ
)
を示して黄に
褐
(
かち
)
に紅に照り渡る。緑の葉の中に、
柚子
(
ゆず
)
が金の珠を掛ける。光明は
空
(
そら
)
から
降
(
ふ
)
り、地からも
湧
(
わ
)
いて来る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ブロンドとまた
褐
(
かち
)
の夜々
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
大隊長は四十の上を三つ四つも
踰
(
こ
)
えたらむとおもはるる人にて、髪はまだふかき
褐
(
かち
)
いろを失はねど、その赤き
面
(
おもて
)
を見れば、はや
額
(
ぬか
)
の波いちじるし。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
その常に戴ける
褐
(
かち
)
色の帽は耳を隱すまで深く引き下げられたり。寺院の鐘は鳴り渡れり。紫衣の若僧の一行あり。
頌
(
じゆ
)
を唱へて過ぐ。捧ぐる所の
磔像
(
たくざう
)
には、新に摘みたる花の環を懸けたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
妃は髪黒く
丈
(
たけ
)
低く、
褐
(
かち
)
いろの
御衣
(
おんぞ
)
あまり見映せぬかはりには、
声音
(
こわね
)
いとやさしく、「おん身は
仏蘭西
(
フランス
)
の
役
(
えき
)
に功ありしそれがしが
族
(
うから
)
なりや、」など
懇
(
ねもごろ
)
にものし玉へば、いづれも嬉しとおもふなるべし。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
褐
常用漢字
中学
部首:⾐
13画
“褐”を含む語句
褐色
黄褐色
黒褐色
茶褐色
淡褐色
赤褐
暗褐色
茶褐
赤褐色
褐紫色
紫褐色
解褐
金褐色
短褐
黒褐
褐衣
黄褐
赭褐
赭土褐砂
黯褐
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