“御衣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おんぞ35.9%
ぎょい30.8%
みけし7.7%
おころも5.1%
ごろも5.1%
みころも5.1%
みそ2.6%
おんころも2.6%
ぎよい2.6%
ミソ2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
母屋もやの几帳のかたびらひきあげて、いとやをら入り給ふとすれど、みな静まれる夜の御衣おんぞのけはひ、柔らかなるしもいとしるかりけり。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
下賜品は女院からお出しになったが、なお親王はみかどからも御衣ぎょいを賜わった。この当座はだれもだれも絵合わせの日の絵のうわさをし合った。
源氏物語:17 絵合 (新字新仮名) / 紫式部(著)
雲の峰一道二道と山のわきより立ち昇りて、神女白銀の御衣みけしいて長し、我にいま少し仙骨を有するの自信あらば、して天際に達する易行道いぎやうだうとなしたりしならむ、下はすなは荒邈くわうばくとして、裾野も
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
高野の大師堂では、毎年四月二十一日の御衣おころも替えに、大師堂の御像の衣を替えて見ると、いつもその一年の間に衣の裾が切れ、泥に汚れていました。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
骨と皮ばかりの青黒くからびた身體を、羊羹やうかん色になつた破れ御衣ごろもに包んで、髯だらけの顏、蟲喰むしくひ頭、陽にけて思ひおくところなく眞つ黒になつた顏を少し阿呆あほたらしく擧げて
幼きものを御衣みころもの、もすその中に掻き抱き給うなる大慈大悲の御前おんまえ、三千世界のいずれのところか菩薩捨身の地ならざるはなし、と教えられながらも
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
この時に當りて、その御髮みかみぬかに結はせり。ここに小碓をうすの命、そのみをば倭比賣やまとひめの命御衣みそ御裳みもを給はり、たち御懷ふところれていでましき。
と呉服は御衣おんころもの袖を、自分の涙でぬらしながら
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
合掌の阿波の局の木像は安徳の御衣ぎよいを纏ふと云ふも
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
竹で計つて着物を拵へて、其着物を、節折ヨヲリの式に与つた人々に、分配なされる。あらよの御衣ミソ・にぎよの御衣ミソといふのが、此である。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)