御衣みけし)” の例文
雲の峰一道二道と山のわきより立ち昇りて、神女白銀の御衣みけしいて長し、我にいま少し仙骨を有するの自信あらば、して天際に達する易行道いぎやうだうとなしたりしならむ、下はすなは荒邈くわうばくとして、裾野も
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
ここにその后、あらかじめその御心を知りたまひて、悉にその髮を剃りて、その髮もちてその頭を覆ひ、また玉の緒をくたして、御手に三重かし、また酒もちて御衣みけしを腐して、全きみそのごとせり。
さそひ入れてさらばと我手はらひます御衣みけしのにほひやみやはらかき
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ここにその御髮をれば、御髮おのづから落ち、その御手をれば、玉の緒また絶え、その御衣みけしれば、御衣すなはち破れつ。ここを以ちてその御子を取り獲て、その御おやをばえとりまつらざりき。
秋の神の御衣みけしより曳く白き虹ものおもふ子の額に消えぬ
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ぬばたまの 黒き御衣みけし