“茶褐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちゃかっ50.0%
ちゃかつ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
エーレンフェルトは、小柄で、頭が禿げ、微笑を浮かべ、茶褐ちゃかっ色の頤髯あごひげやし、元気のない繊細な顔つきをし、かぎ鼻であって、流行記事や世間的雑報を雑誌に書いていた。
若々しい樫の緑は髪のように日にかがやいて見え、椎の方は暗緑で、茶褐ちゃかっ色をも帯びていた。その青い、暗い、びきった、何百年経つか解らないような椎の樹蔭から、幾羽となく小鳥が飛出した。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
薩摩絣さつまがすりあわせ小倉こくらはかま穿いて、同じ絣の袷羽織を着ている。被物かぶりものは柔かい茶褐ちゃかつの帽子で、足には紺足袋に薩摩下駄を引っ掛けている。当前あたりまえの書生の風俗ではあるが、何から何まで新しい。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ところで、その子はビールの空瓶あきびんふなべりから、ぽんと水に投げる。瓶は初め茶褐ちゃかつに、のちは黒く、首だけもたげもたげしてながれに浮く。青の紫のかもの首、うしろにうしろに遠くなる。それほど舟が早いのだ。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)