“慵”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ものう78.1%
だる12.5%
もの6.3%
ものうげ3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし五六日もいると、この生活もやがてものうくなって来た。可憐かれんな暴君である葉子のとげとげしい神経に触れることもいとわしかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
水分の多いつめたい風が、遠く山国に来ていることを思わせた。ごとんごとんと云うだるい水車の音が、どこからか、物悲しげに聞えていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
何だか世間がものうく感ぜらるる。主人に劣らぬほどの無性猫ぶしょうねことなった。主人が書斎にのみ閉じこもっているのを人が失恋だ失恋だと評するのも無理はないと思うようになった。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
すかして見ると、三茎みくきほどの長い髪が、ものうげに揺れかかっている。見つかってはと云わぬばかりに、濁った水が底の方から隠しに来る。南無阿弥陀仏なむあみだぶつ
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)