“ものうげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
懶気58.3%
8.3%
8.3%
懶氣8.3%
物惰氣8.3%
物懶8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その間、鎮子は懶気ものうげに宙をみつめていたが、彼女の眼には、真理を追求しようという激しい熱情が燃えさかっていた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
すかして見ると、三茎みくきほどの長い髪が、ものうげに揺れかかっている。見つかってはと云わぬばかりに、濁った水が底の方から隠しに来る。南無阿弥陀仏なむあみだぶつ
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「唯静かに老い朽ちたい。」……その外は何も考へなかつた。姫君は話を聞き終ると、白い月を眺めたなり、ものうげげにやつれた顔を振つた。
六の宮の姫君 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
懶氣ものうげな、氣の長い響きを百日も聞き慣れた人であらう。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
兄は扇をたゝむと、粘氣ねばりけのある落着いた物言ひをして又かう論じ始めた。彼れは顯微鏡のカバーの上のほこりから物惰氣ものうげに眼を兄の方に轉じた。
実験室 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
眼をそらし、物懶ものうげに居隅にうずくまっていようとするのである。
アワァビット (新字新仮名) / 宮本百合子(著)