もの)” の例文
何だか世間がものうく感ぜらるる。主人に劣らぬほどの無性猫ぶしょうねことなった。主人が書斎にのみ閉じこもっているのを人が失恋だ失恋だと評するのも無理はないと思うようになった。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
物思へばものみなもの転寝うたたねに玉の螺鈿らでんの枕をするも
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)