“こうばい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
勾配83.3%
紅梅13.6%
傾斜1.2%
交媒0.6%
購買0.6%
黄梅0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今日と違って、その当時の衛戍病院の入口は、往来よりも少しく高い所にあって、さしたる勾配こうばいでもないが一種の坂路をなしていた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
庭には沈丁花ちんちょうげあまが日も夜もあふれる。梅は赤いがくになって、晩咲おそざき紅梅こうばいの蕾がふくれた。犬が母子おやこ芝生しばふにトチくるう。猫が小犬の様にまわる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
三方林で囲まれ、南が開いて余所よその畑とつづいている。北が高く南が低い傾斜こうばいになっている。母の推察通り、棉は末にはなっているが、風が吹いたら溢れるかと思うほど棉はえんでいる。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
進歩的の金魚商は特に異種の交媒こうばいによる珍奇ちんきな新魚を得て観賞需要の拡張を図ろうとした。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
購買こうばい組合があって、日用品が東京よりも二割方安く手に入る。好いことずくめだ。○○町は◎◎鉱業の為めに寒村が発展して町政を布き、現在人は二万に近い。ソロ/\市になる支度をしている。
秀才養子鑑 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
一 黄梅こうばいの時節漸く過ぐ、正に曝書ばくしょすべし。たまたま趙甌北ちょうおうほくの詩集をひもとくに左の如き絶句あるを見たり。
一夕 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)