“なだれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
雪崩88.1%
雪頽3.2%
動揺1.6%
1.6%
人雪頽0.8%
傾斜0.8%
山崩0.8%
崩砂0.8%
崩雪0.8%
斜崖0.8%
雪流0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
群衆雪崩なだれを打って立ち分れると、その間を縫って、南町奉行鳥居とりい甲斐守忠燿ただてる、手附の与力、配下の岡っ引共を従えて立ち現われました。
礫心中 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
一人発奮はずみをくって、のめりかかったので、雪頽なだれを打ったが、それも、赤ら顔の手もまじって、三四人大革鞄にとりかかった。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
群集は波をんで動揺なだれを打つた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
耳元近くから恐しいきいろい声が、「変るよ——ウ」と叫び出した。見物人が出口の方へとなだれを打ってりかける。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
人雪頽なだれ打つ中を、まるで夢中で
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
の鞄を付けて峰松は折田村の傾斜なだれを下りましたが、見かけによらぬ大悪人でございます。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
が、その時山崩なだれのように、敵味方の勢一団にかたまり、二人の間に殺到して来た。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかし三度目の感情が、周作の顔へ閃めいた時、千代千兵衛の構えは全く崩れ、タ、タ、タ、タ、タ、タと崩砂なだれのように、広い道場を破目板はめいたまで、後ろ向きに押されて行った。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その山頂にしても、素焼の山の膚に、つや薬でも流したような、崩雪なだれや岩崩れの跡が、切り刻みをつけている。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
こんもりとした森があるから、森を見当みあてに彼是れ二十町ばかりもき、又斜崖なだれくだると、森の林の内にちら/\灯火あかりが見える。
御嶽おんたけの雪のはだ清らかに、石楠しゃくなげの花の顔気高けだかく生れついてもお辰を嫁にせんという者、七蔵と云う名をきいては山抜け雪流なだれより恐ろしくおぞ毛ふるって思いとまれば、二十はたちして痛ましや生娘きむすめ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)