“傾斜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けいしゃ52.3%
けいしや15.9%
スロープ9.1%
こうばい4.5%
かしぎ2.3%
かたむ2.3%
かたむき2.3%
なぞえ2.3%
なぞへ2.3%
なだれ2.3%
ケイシャ2.3%
ナゾエ2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
川を戻るよりはここからさっきの道へのぼったほうがいい、傾斜けいしゃもゆるく丁度ちょうどのぼれそうだ。〔みんなそこからあの道へ出ろ。〕
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
同じ日に、私は動詞 Etreエートル の一番はじめの二つの時制テンスを習ひ、第一番の小屋(ちなみに、その壁は、傾斜けいしやの點ではピサの斜塔をしのいでゐた。)
八ヶ岳の大傾斜スロープ、富士見高原の木地師のごう! 囲繞しているのは森林である。杉、ひのきというような喬木ばかりがそびえている。その真ん中に空地がある。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
暗い中から驟雨ゆうだちのような初夏の雨が吹きあげるように降っていた。道夫は傾斜こうばいの急なこみち日和下駄ひよりげた穿いた足端あしさきでさぐりさぐりおりて往った。
馬の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
山の傾斜かしぎもかなり急で歩くに油断が出来なかった。……ひょっこり雷鳥が子を連れて灌木から顔を出したりした。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
弦月丸げんげつまる萬山ばんざんくづるゝがごとひゞきとも左舷さげん傾斜かたむいた。途端とたんおこ大叫喚だいけうくわん二百にひやく船員せんゐんくるへる甲板かんぱんへ、數百すうひやく乘客じやうきやく一時いちじ黒雲くろくもごと飛出とびだしたのである。
はしなる仙太は不意の傾斜かたむきに身を支うる暇なく、あ! と叫びたるまま水の中に陥りしが、辛くも戸板の角にとり縋りて。
片男波 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
もしかれらの道傾斜なぞへならずば、天の力多くは空しく、下界の活動はたらき殆どみな止まむ 一六—一八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
の鞄を付けて峰松は折田村の傾斜なだれを下りましたが、見かけによらぬ大悪人でございます。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
予ハ其ノ小窓ヨリ窓外ヲ見タルトコロ傾斜ケイシャセル山腹サンプクリトラレアルヲ見タリ。其ノ前ニ小屋アリテ人々出入ス。雑品倉庫ザッピンソウコナルコトヲ知リ得タリ。
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)
山の傾斜ナゾエや、少々坦らになったところなどは、大抵、篶竹が深く茂って居る。そんな中に籠って鳴いて居るのは、何処へ行っても、鶯の癖と見える。山へ来た当座は、毎日篶竹のタケノコが膳について来た。
山の湯雑記 (新字新仮名) / 折口信夫(著)