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傾斜
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けいしゃ
ふりがな文庫
“
傾斜
(
けいしゃ
)” の例文
川を戻るよりはここからさっきの道へのぼったほうがいい、
傾斜
(
けいしゃ
)
もゆるく
丁度
(
ちょうど
)
のぼれそうだ。〔みんなそこからあの道へ出ろ。〕
台川
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
夏はさ中にも近づいたが山の
傾斜
(
けいしゃ
)
にさしかかって建て連らねられたF——町は南の山から風が北海に
吹
(
ふ
)
き
抜
(
ぬ
)
けるので熱気の割合に涼しかった。
みちのく
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
轟然
(
ごうぜん
)
と砲門は
黒煙
(
こくえん
)
をぱっと吹き出して
震動
(
しんどう
)
した。
甲板
(
かんぱん
)
も艦橋も、
壊
(
こわ
)
されそうに鳴り響き、そしてぐらりと
傾斜
(
けいしゃ
)
した。
不沈軍艦の見本:――金博士シリーズ・10――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
向こう
側
(
がわ
)
の
傾斜
(
けいしゃ
)
を見ると、
芝
(
しば
)
を
掃
(
は
)
いたようなやわらかさである。しかし、その傾斜は目がまわるほど深く、きわまるところに、白い
渓流
(
けいりゅう
)
が
淙々
(
そうそう
)
と鳴っている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
頭
(
あたま
)
のとがった、三
角形
(
かくけい
)
の
赤
(
あか
)
いガラスの
建物
(
たてもの
)
は
傾斜
(
けいしゃ
)
した
丘
(
おか
)
の
上
(
うえ
)
にあって、かたむいていました。そして、この
建物
(
たてもの
)
には、ふしぎに
入
(
い
)
り
口
(
ぐち
)
がついていませんでした。
赤いガラスの宮殿
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
小高い
丘
(
おか
)
の上。丘の向う側には広大な竹林が遠々と連なっているらしい。前面は
緩
(
ゆる
)
い
傾斜
(
けいしゃ
)
になっている。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
かれはしかしわたしを助けようとしたはずみに足をふみはずしたか、足の下の石炭がくずれたか、つるり、
傾斜
(
けいしゃ
)
の上をすべって、まっ
逆
(
さか
)
さまに暗い水の中に落ちこんだ。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
たこが
傾斜
(
けいしゃ
)
せず、頭をふらず、つねに
平衡
(
へいこう
)
をたもっているからである、糸は最後のひとまき三百六十メートルがのびた、地面をぬくことまさに二百数十メートルの高さである
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
近頃
(
ちかごろ
)
は、弓形になった橋の
傾斜
(
けいしゃ
)
が苦痛でならない。
疲
(
つか
)
れているのだ。
馬地獄
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
それが風に
揺
(
ゆ
)
らぐと、反射で
滑
(
なめ
)
らかな
崖
(
がけ
)
の赤土の表面が
金屏風
(
きんびょうぶ
)
のように
閃
(
ひらめ
)
く。五六
丈
(
じょう
)
も高い崖の
傾斜
(
けいしゃ
)
のところどころに
霧島
(
きりしま
)
つつじが
咲
(
さ
)
いている。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
全
(
まった
)
く霧は白く
痛
(
いた
)
く
竜
(
りゅう
)
の
髯
(
ひげ
)
の青い
傾斜
(
けいしゃ
)
はその中にぼんやりかすんで行きました。諒安はとっととかけ下りました。
マグノリアの木
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ほかに
登
(
のぼ
)
る道があればいいが、ないとすると、この
傾斜
(
けいしゃ
)
では、馬を乗りあげることがむずかしい。それに、下に見える
渓流
(
けいりゅう
)
もはたして
騎馬
(
きば
)
で
越
(
こ
)
せるかどうか?
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その地軸は、二十三度半の
傾斜
(
けいしゃ
)
をもち、太陽に対して一年を周期とする大きなかぶりを振っている。
地軸作戦:――金博士シリーズ・9――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
この仕事は
困難
(
こんなん
)
であった。なにしろわたしたちがかくれた
竪坑
(
たてこう
)
はひどい
傾斜
(
けいしゃ
)
になっていて、むやみとすべった。しかも足をふみはずせば下は一面の水で、もうおしまいであった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
子供
(
こども
)
たちは、お
墓
(
はか
)
の
前
(
まえ
)
にならんで、
手
(
て
)
を
合
(
あ
)
わせて
頭
(
あたま
)
を
下
(
さ
)
げました。
南
(
みなみ
)
の
方
(
ほう
)
へゆるやかに
傾斜
(
けいしゃ
)
して、
陽
(
ひ
)
のよく
当
(
あ
)
たる
丘
(
おか
)
のなかほどに、つばきの
大
(
おお
)
きな
木
(
き
)
があって、
赤
(
あか
)
い
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
いていました。
村へ帰った傷兵
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ふたりは船へ帰って、一同にこのことをかたり、それから急に、
修繕
(
しゅうぜん
)
にとりかかった。船はキールをくだかれ、そのうえに船体ががっくりと
傾斜
(
けいしゃ
)
したものの、しかし風雨をふせぐには十分であった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
渓流に架かっている
蔦
(
つた
)
のかけ
橋
(
はし
)
、そこを
渡
(
わた
)
ると部落の盆地、あなたに四、五
軒
(
けん
)
、
河
(
かわ
)
べりに七、八軒、また
傾斜
(
けいしゃ
)
の山の
背
(
せ
)
にも八、九軒、
煙
(
けむり
)
を立てている
人家
(
じんか
)
があった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
屋根はかなりの
傾斜
(
けいしゃ
)
だが、身のかるい少年には、天窓のところまで
這
(
は
)
っていくのは、大してむずかしい仕事でもなかった。天窓には厚い針金入りガラスがはまっている。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
緩
(
ゆる
)
い
傾斜
(
けいしゃ
)
を、二つ
程
(
ほど
)
昇
(
のぼ
)
り
降
(
お
)
りしました。それから、黒い大きな
路
(
みち
)
について、
暫
(
しば
)
らく歩きました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
急角度
(
きゅうかくど
)
に
傾斜
(
けいしゃ
)
している
屋根
(
やね
)
へはい
上
(
あ
)
がろうとしました。
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ところがそのへん、
麓
(
ふもと
)
の
緩
(
ゆる
)
い
傾斜
(
けいしゃ
)
のところには青い
立派
(
りっぱ
)
な
闊葉樹
(
かつようじゅ
)
が
一杯
(
いっぱい
)
生
(
は
)
えているでしょう。あすこは古い
沖積扇
(
ちゅうせきせん
)
です。
運
(
はこ
)
ばれてきたのです。
割合
(
わりあい
)
肥沃
(
ひよく
)
な
土壌
(
どじょう
)
を作っています。
台川
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
用箋を繰れば、偶然に
枠
(
わく
)
が
傾斜
(
けいしゃ
)
をして紙と縁と三角形をなしていることもないとは言い切れぬことです。万年筆の
尖
(
さき
)
も三角なら、女のひたいも三角形をなしているのでしょう。
三角形の恐怖
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
第一
(
だいいち
)
、その粘土のところはせまくて、みんながはいれなかったし、それに大へんつるつるすべる
傾斜
(
けいしゃ
)
になっていたものだから、下の方の四、五人などは上の人につかまるようにして
さいかち淵
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
山を切りとり、
崖
(
がけ
)
を
補強
(
ほきょう
)
し、
傾斜
(
けいしゃ
)
のゆるやかな道路を作っていった。どんなせまいところでも六メートルの
幅
(
はば
)
を持っている道路をこしらえた。重要な道路は幅が三十メートルもあった。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
というのは、ここは山の
裾
(
すそ
)
で、ひどい
傾斜
(
けいしゃ
)
になっている。稲荷神社のまわりには、古い大きい木がぎっしりとり囲んでいて、枝がはりだして
隙間
(
すきま
)
のないほどだ。それに
境内
(
けいだい
)
もごくせまい。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ええ、もうこの
辺
(
へん
)
から下りです。なんせこんどは一ぺんにあの
水面
(
すいめん
)
までおりて行くんですから
容易
(
ようい
)
じゃありません。この
傾斜
(
けいしゃ
)
があるもんですから汽車は
決
(
けっ
)
して
向
(
む
)
こうからこっちへは来ないんです。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
又じっさい急げないようでした。
傾斜
(
けいしゃ
)
もよほど出てきたのでした。
谷
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
甲板がゆるやかな
傾斜
(
けいしゃ
)
で、上り坂になっていた。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「ええ、もうこの辺から下りです。何せこんどは一ぺんにあの水面までおりて行くんですから容易じゃありません。この
傾斜
(
けいしゃ
)
があるもんですから汽車は決して向うからこっちへは来ないんです。そら、もうだんだん早くなったでしょう。」
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
傾
常用漢字
中学
部首:⼈
13画
斜
常用漢字
中学
部首:⽃
11画
“傾斜”で始まる語句
傾斜地
傾斜面
傾斜体文字
傾斜儀
傾斜度
傾斜部
傾斜線路