“にた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
煮焚32.0%
煮炊14.0%
煮立12.0%
沸立10.0%
仁田6.0%
仁多4.0%
煑炊4.0%
荷足4.0%
仁太2.0%
2.0%
2.0%
沸騰2.0%
煑立2.0%
煮燃2.0%
煮起2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ずっと昔からこの家の習慣で、女が見るものを見るころは家族のものからも離れ、ひとりで煮焚にたきまでして、そこにこもり暮らすという。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
見事な廊下で、男の手だけで煮炊にたきをするやら、洗濯をして松の木にほすやら……当家の主人は、こっち側とばかり、梃子てこでも動かぬ気組み。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
たけやとわれてきてから一ねんあまりになりますが、もっとその以前いぜんから、あったものです。あるときは、炭火すみびのカンカンこるうえにかけられて、煮立にたっていました。
人間と湯沸かし (新字新仮名) / 小川未明(著)
勘「うげす…それ七輪の火が煽って来た…徐々そろ/\湯が沸立にたって来たぞ御覧ごろうじろ今に旨く煮てやるから一寸ちょっと塩梅あんばいをしよう」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
東南に面する仁田にた峠とはまさに正反対である。正面には千々岩ちぢわ灘が見える。国見の頂の彼方かなたに大村湾が見える。佐世保させほ軍港の無電局が鮮明に見える。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
羽後由利郡下川大内しもかわおおうち村大字平岫ひらぐき兵屋布ひょうやしきがある。出雲仁多にた布勢ふせ村大字上三所かみみところ字日向に小字兵垣内ひょうのかいちがあるのを見れば、ヒョウと称する一種の人民の諸国にあったことは明らかである。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ついであらはれて水力電氣すいりよくでんきそのものはすべてこの都市とし村落そんらく燈火あかりや、いろ/\の動力どうりよくにも利用りようせられ、電車でんしや電信でんしん電話でんわ電燈でんとう工業用機械動力こうぎようようきかいどうりよくをはじめ、朝夕あさゆふ煑炊にたき、すとうぶや按摩あんま
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
私はその小女から、帆柱を横たえた和船型の大きな船を五大力ということだの、木履ぽっくりのように膨れて黒いのは達磨だるまぶねということだの、伝馬船てんません荷足にたぶねの区別をも教えて貰った。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
仁太にたが生まれてはじめてのったバスのめずらしさに、まんじゅうを食べるのも忘れて、運転手の手もとを見ていたなど、だれも考えなかった。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
まっさきにきいたのは仁太にたである。もう松葉杖ではなかったにしろ、やっぱりびっこをひいているのを見ると、仁太はうたてかったのであろう。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
辨慶の書は、双鉤填墨さうこうてんぼくのものゝごとし。源空の書は東都屋代輪池蔵する選択集せんぢやくしふの筆跡ににたるがごとし。敦盛の像及甲冑古色可掬。大小二笛高麗笛古色なり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
膿はまだ少しづつ出て居たが痛みはもうすつかり無くなつて了つて、歩くのに少しも困難を感じなかつたが、病後の衰弱の身体とて、重い水桶をにたつて坂を上るには最初の中かなり苦痛であつた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
全体日本人の家では何時いつでも火鉢に火が起っていて鉄瓶てつびんがチンチン沸騰にたっている。あれは不経済の極点で、西洋人の家では三食の外にストーブを焚く事がない。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
放心うつかりしてゝ煑立にたツちやあとこだつけ」といそいで土瓶どびんはづして
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「ぢやア、あたい、詰らん。」かの女はすねて見せたが、義雄に促がされて、晩がたから一緒に煮燃にたきの道具を買ひにや、貸し蒲團を頼みに外へ出た。
泡鳴五部作:01 発展 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
その内に、炉に掛けた鍋は沸々と煮起にたって、蓋の間から湯気が出るようになる。うまそうな汁の香が炉辺ろばたに満ちあふれました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)