“沸騰”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふっとう72.3%
ふつとう6.4%
たぎ6.4%
ふつたう4.3%
にえかえ2.1%
にた2.1%
わい2.1%
わか2.1%
わきのぼ2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この一条については下士の議論沸騰ふっとうしたれども、その首魁しゅかいたる者二、三名の家禄かろくを没入し、これを藩地外に放逐ほうちくして鎮静ちんせいを致したり。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「見ろやアイ」「民主々義万歳」など思ひ/\の叫喚けうくわん沸騰ふつとうして、悲憤の涙をむすびたる青年弁士の降壇を送れり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
圭一郎はあからむ顏を俯向うつむいて異樣に沸騰たぎる心を抑へようとした。をばさんさへ居なかつたらと彼は齒をがた/\ふるはした。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
そして私たちが、それを澤山けた時に、その幾分を人に與へることは、感情に、異常な沸騰ふつたうのはけ口を與へることである。
葬式の出る前は沸騰にえかえるようなごたつきであった。家の内外うちそとには、ぎッしり人がつまって、それが秩序もなく動いていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
全体日本人の家では何時いつでも火鉢に火が起っていて鉄瓶てつびんがチンチン沸騰にたっている。あれは不経済の極点で、西洋人の家では三食の外にストーブを焚く事がない。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
そのうち湯が沸騰わいて来たから例の通り氷のようにひえた飯へ白湯さゆけて沢庵たくあんをバリバリ、待ち兼た風に食い初めた。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
赤痢せきりとか虎列剌これらとかその他恐るべき流行病は大概飲用水から起ります。全体なら一度沸騰わかした水のほかは決して飲まないのに限りますけれども戦地ではその事を実行出来ない場合もありましょう。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
頭脳のうち沸騰わきのぼる血はその欲するままに注ぐところを求めて、心も狂へと乱螫みだれさすなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)